学生80人超が住む「愛知県のある団地」の仕掛け

世代間交流を深める高蔵寺ニュータウンの今

中部大学側からは、「学生が多く入居しているため、気が緩みがちになりますので、常に中部大学の学生として見られていることを意識して、日ごろの挨拶やゴミ出しなどのマナーの遵守を徹底するように伝えています」(殿垣さん)とのことだ。

双方が「今後も望ましい形を模索しながら、この取り組みを続けていきたい」と話す。毎年度末には、春日井市や自治会、UR都市機構の担当者を交え、地域連携住居制度の年間活動報告会を行っている。

「核家族が増えている中で、ご高齢の方と日常的に接する機会があり、自分が住む地域で地域貢献活動の経験ができるというのは、価値があることなのでは。学生さんたちが、今後も自主的に考えて行動するきっかけの一つになればうれしいですね」とUR都市機構・所さん。

中部大学は「取り組みが5年目を迎え、入居する学生の増加につれて、地域からの期待や要望も大きくなっていると感じます。今後は、これまでの経験や地域の皆さんからいただいたご意見を活かしつつ、持続的に地域と連携していくための制度や、地域貢献活動への参加方法などをさらに改善していきたいと思います」(殿垣さん)と展望を話す。

これからも地域に馴染みながら、より快適な制度へと姿を変えていくのだろう。

学生とお年寄り、双方に大きなメリット

同世代ではない人たちへの理解、お年寄りへの細やかな気遣い、自分も地域の担い手であるという責任感。それらを身に付けることは、これから社会へ出ていく学生にとって、無駄なことが一つもない。

一方で、団地内に顔見知りが増えれば、独居のシニアの体調の変化などに学生が気づくこともあるかもしれない。どちらにもメリットが多い取り組みだと思う。

お邪魔した西井さんの部屋は、ザ・大学生の一人暮らし!という懐かしい雰囲気。そこから一歩外へ出ると、公園の遊具や時計台があり、子どもの声が響くのどかな環境というのもいい。人生のうちの数年間、団地で暮らしてみるという経験は、社会へ巣立つ前の彼らを温かく育むに違いない。

■取材協力
UR都市機構 中部支社
中部大学
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