アートで「美意識」を鍛えるための具体的方法

山口周さんのプログラムに同行してみた

山口周さんの特別講義。いったいアートとビジネスの関係とは?(写真:筆者撮影)
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス』がビジネス書大賞2018準大賞にも選ばれた、独立研究者の山口周さん。その山口さんと東京国立近代美術館が手を組み、同館で初めてのビジネスパーソン向けプログラムを開始した。
いったいアートとビジネスはどう関係するのか? 「Dialogue in the Museum(ダイアローグ イン ザ ミュージアム)」を初回の6月22日に取材した。

「美意識」を鍛える美術鑑賞プログラム

土曜の朝10時、人影まばらな竹橋の東京国立近代美術館に30人の参加者が集まった。山口周さんから、プログラムの趣旨はビジネスパーソンの能力を上げること、中でも意思決定のクオリティを上げるためのアート鑑賞ワークショップであることが説明される。

「みなさんが生きている世界にはモノが過剰にある。ここから先は、論理的な正解ではなく、豊かであるとか、美しいということが価値を生んでいく。それを判断するには心を動かすことが必要になる。今日は心を柔らかくして楽しんでいただければ」

山口さんの著書にも書かれているが、今までのビジネスでは、論理と理性で物事を判断していればよかった。しかし、今後は「美」、つまり自身の美意識や価値観によって物事を判断することが増えてくる。では、実際にどうすれば美意識は鍛えられるのか? アート鑑賞ワークショップはその第一歩でもある。

この日の参加者は30~40代を中心に20代から50代まで、30人。男女はおよそ半々。IT企業勤務、シンクタンクのコンサルタント、会社経営のプログラマーなど、仕事はさまざまだ。5人ずつのグループに分かれ、まずアイスブレークのゲームをして緊張がほぐれたところで「対話鑑賞」に出発する。

これは館内の美術作品を見て、みんなで対話をしながら鑑賞を深めていくというもので、グループに1人ずつ、ファシリテーター役のガイドスタッフがつく。始める前に山口さんが3つのルールを提案した。

① 作品の解説文を読まない
② 感じたこと、見えるものをどんどん言葉にする
③ 人の言ったことを否定しない

ガイドスタッフも、「今日は何でも言ってください。間違いはありませんから」と背中を押してくれる。

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