「何でもみんなで決める上司」が実はダメな理由 民主的すぎるリーダーの落とし穴

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部下に仕事を任せたままで「放任」していませんか? 部下を不安にさせない効果的な任せ方について紹介します(写真:xiangtao/PIXTA)
よかれと思って細かく口出ししないようにしていたら、部下が突然「私たちの仕事にもっと関心を持ってくださいよ!」と怒り出した……。
今、こうした「放任問題」が職場で多発しているという。とはいえ、「自分の仕事をこなすだけで精いっぱいで、部下の面倒を細かくみていられない」というプレイングマネジャーも少なくないはず。
そこで、『できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ』の著者である伊庭正康氏に、「効果的な任せ方のコツ」を指南してもらった。

「優秀な部下」が、爆発するとき

まず、私の恥ずかしい経験を吐露します。リーダーになりたての頃、2人の部下から同じクレームを受けました。いや、正直に言うと言い合いになりました。「伊庭さんのために、ここまでやっているのに、もっとかまってほしい」と。

若かった私は、こともあろうに、こう言い返してしまったのです。「信頼して任せているのに……! しかも、俺のためって、そりゃおかしい。お客様のためやん!」と。「もう伊庭さんの仕事はしたくないです!」。

無知とは恐ろしいもので、完全にリーダーとしての自覚が欠如していました。プレーヤーの延長で、「仕事とはお互いがプロ意識を発揮するものだ」としか考えていなかったのです。完全に、経験則の押しつけでした。

でも、これ、プレーヤー時代に自立して、サクサクと仕事をしていた人がリーダーになったときに起こりがちな出来事。「さびしい」「不安だ」なんてことを仕事に持ちだすことなく、そんな負の感情は封印しながら闘ってきた、そんな人ほど要注意。

「かまってほしい」なんて感情を仕事で持ち出すことは選択肢にすらなかった私にとって、最初はまったく理解ができませんでした。

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