野口健が説く「生き抜くための本当の防災対策」

熊本の避難所にテントを張る活動も展開

登山家・野口健さんに、日頃からどのような「防災対策」をしたらいいか、話を聞いた(写真:片山貴博)  
富士山などに散乱するゴミ問題に着目した清掃登山活動で有名な登山家の野口健さんは、東日本大震災やネパールの大地震、熊本地震でも支援活動を行い、熊本の避難所に被災者用のテントを張る「テント村」活動も展開している。
命がけで数々の険しい登山に成功し、被災地での様子を見続けてきた彼は、日本での地震や津波、豪雨などの震災発生時に最大1週間、自分の力で生き延びれば、自衛隊の助けを得られるなど何とか生き延びることができると言う。「自分の命は自分で守る」ために、個人として日頃からどのような「防災対策」をしておくべきだろうか。経験談をもとに考えを聞いた。

被災者のストレス軽減につながった「テント村」

――2016年4月に熊本地震が発生後、避難所にテント村をつくったきっかけは何ですか?

プライバシーの確保が難しいので、長期間避難所にいると誰でもイライラしてきます。幼い子どもがいると周りに迷惑をかけるし、子どもたちもストレスを感じてしまう。そもそもペットがいるご家庭は避難所に入れません。そんな方たちはやむなく車中泊になりますが、肉体的につらいですし、エコノミークラス症候群で命に危険が及ぶかもしれない。

当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

そんな状況を見て、何ができるかと考えたときに、ヒマラヤ登山でのベースキャンプの経験が役立つと思いました。つまり「テント村」をつくるということです。

余震が続く中、屋根がある避難所で過ごすと、いつ天井が落ちてくるかわからないため恐怖を感じます。その点、歩いて動けるぐらいの高さがあるテントなら天井が落ちる心配もないし、閉塞感もさほど感じません。

車中泊や、避難所のシーツで仕切られた区画で寝るぐらいなら、寝袋で寝る方が快適だし、アウトドアグッズは色が鮮やかなので、気持ちも暗くなりにくいんです。また隣のテントとの間を1m以上空けることができれば、意外と隣の話し声が気にならず、ある程度のプライベート空間を持つことができます。

陸上競技場の外周に市販のテントを1m間隔で並べる。「これだけでも、避難所で過ごすよりはプライベートを保つことができ、ストレスが軽減します」(野口さん)(写真:片山貴博)
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