一度かかった虫歯は「完治しない」という事実

菌を増大させるショ糖、防ぐための3習慣

虫歯や歯周病にならないために、気をつけなければならないことは?(写真:KY/PIXTA)  
「審美」「インプラント」「矯正」には要注意! そう警鐘を鳴らすのは、歯学博士の中村健太郎さんだ。人生100年時代、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)のカギとなるのが「歯の健康」。いくつになっても自分の歯で食事をするには、どんなことに気をつければよいのか? 最新の知見が満載の著書『噛む力』より、重要なポイントを抜き出してみました。

虫歯菌の大好物「ショ糖」

常在細菌の1つである虫歯菌の急激な増殖を引き起こす最大の原因は、ショ糖(砂糖)です。

糖類にはいくつか種類があります。みなさんおなじみの白い砂糖(上白糖)がショ糖。ほかには、果物に含まれる果糖や、蜂蜜に含まれるブドウ糖などがあります。

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

これら糖類の中で、虫歯の菌が優勢となるきっかけを与えるのは、ショ糖だけです。「甘いもので虫歯になる」と言われてきた方も少なくないと思いますが、甘ければ虫歯になるわけではありません。虫歯菌を増大させるのはショ糖の存在。コーヒーの砂糖やクッキー、キャンディーなどのスイーツは、歯にとっては大変危険なのです。

唾液は口腔内全体の粘膜までも覆い、殺菌をして、口の中を一定の状態に保っています。ところが、そこにショ糖が入ってくると、細菌によって口腔内が強酸性となり、唾液による再石灰化が追いつかなくなります。エナメル質に修復しきれていない部分があると、虫歯は一気に進行することになります。

古代人の骸骨には、ほとんど歯が残っています。当然ですよね。その時代にはショ糖がなかったのです。

江戸時代や室町時代にも、すでにショ糖はありました。ただ、当時は極めて高価で、庶民の口に入ることはまずありませんでした。昭和の初期になっても、まだまだ普及とまではいかず、戦後になって食生活が豊かになると同時に、ショ糖は一気に普及しました。虫歯になる人が圧倒的に増えたのは、その結果なのです。

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