携帯2年縛りの違約金「上限1000円」の破壊力

キャリアの囲い込み戦略は完全に崩壊する

モバイル研究会のあるメンバーは「金額の是非はともかく、これだけ低い金額を示したのは、期間拘束での縛りをやめさせるという強い意思表示だと思っている」と省令改正案の方向性を評価する。モバイル研究会では「違約金自体を禁止にすればいい」という意見もあったという。

今後の議論次第で金額が見直される可能性はあるが、いずれにしても、違約金や端末の値引きの上限が大幅に引き下げられることは間違いなさそうだ。

見直し必至、2年縛りのビジネスモデル

キャリア各社は違約金だけでなく、期間拘束のないプランの料金を月額1500円~2700円高く設定することで、利用者を囲い込みやすい2年契約に誘導している。総務省はこれに対して規制をかける方針で、差額の上限を170円とする案も示した。さらに、長期契約者を過度に優遇するようなポイントの付与も規制対象とする見通しだ。

昨年8月に菅義偉官房長官が「携帯料金は今より4割下げる余地がある」と発言して以降、急ピッチで通信政策の改革が進められている。今回は、通信契約と端末販売のセット割引を禁止する改正電気通信事業法(5月成立、施行は今秋から)に続く大きな制度改正となる。

違約金が大幅に引き下げられれば、2年契約という期間拘束を前提としたキャリアのビジネスモデルは事実上、完全に破壊されることになる。1000円程度の違約金や月額170円の料金差では、2年契約はほとんど意味を成さないからだ。今後は2年契約などの期間を設けたプラン自体がなくなる可能性もある。

利用者の囲い込みを前提としてきたキャリア各社は、料金プランや販売手法などの戦略の大幅な見直しを迫られることになりそうだ。

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