同日選は消滅?解散風は本当に吹きやんだのか

「老後2000万円不足」、浮上する政権への逆風

6月10日の参院決算委員会で、立憲民主党の蓮舫参院幹事長(右手前)の質問に答弁する安倍晋三首相(写真:時事通信)

梅雨入り後も吹き続けてきた永田町の「解散風」が、6月26日の会期末まで半月となった途端に吹きやんだ。

週明けの10日夕に多くの中央紙やテレビなどが、安倍晋三首相による「夏の参院選に合わせて衆院選を行う衆参同日選」の見送り説を相次いで報じた。複数の政権幹部が「現状なら参院選単独でも自民党は勝てるので同日選は必要ない」との判断を示したからだ。

ただ、年金生活者を不安に陥れる「老後2000万円不足」問題が急浮上し、会期末政局はなお波乱が予想される。

自民、公明で前回上回る70議席超の可能性も

各種世論調査では安倍内閣や自民党の支持率は高止まりしており、自民党が実施した最近の選挙情勢調査でも「勝利した3年前の参院選並みの議席獲得が可能」との結果が出たとされる。

もちろん、夏の参院選で今回改選となる6年前の参院選での自民65議席に届く可能性は少ないが、「現状なら、自民は選挙区で40前後、比例代表でも20近くの合計約60議席を獲得できる」(選挙アナリスト)ことが予測されている。勝敗のカギとなる32の1人区で「自民党が落とす可能性のあるのは7~8カ所」(同)とされるからだ。

強固な組織を持つ公明党も「最低でも12議席は確実」(選挙アナリスト)なため、与党圧勝とされた前回の自公70議席を上回る可能性が出てきた。

この予測に従えば、自民党は参院で現在の単独過半数を失い、いわゆる「改憲勢力3分の2」も下回る可能性が大きいが、衆参両院での与党の圧倒的多数を維持できれば、選挙後も「安倍1強政権」が続くことになる。首相にとっても、参院選後の残り2年2カ月余の自民党総裁任期中の解散権を保持することで求心力低下も避けられ、悲願の憲法改正への挑戦も続けることができる。

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