見えない中での攻防戦「ゴールボール」の醍醐味 女子日本代表は、パラ4大会連続出場している

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2019年2月に開催されたジャパンパラゴールボール競技大会のゴールボール女子決勝の様子。日本代表は準優勝だった(写真:松尾/アフロスポーツ)

 まったく見えない状態で転がってきたボールを防ぐ。どんな世界で行われているのだろうか。

「令和」になる直前、2020年東京パラリンピックでも実施される「ゴールボール」で、メディアを対象にした体験会があるというので、東京・品川区のパラスポーツ専用体育館、パラアリーナに行ってみた。

動きやすい服装で、バスケットボールシューズを持っていく。25人ほどのメディア関係者が来ていた。

まずは競技概要の説明をまとめたビデオを見る。ゴールボールという競技はご存じだろうか。

視覚障がい者のための球技として誕生

日本ゴールボール協会のHPによると、第2次世界大戦で視覚に障害を負った軍人のリハビリテーションプログラムとして視覚障がい者のための球技として誕生した。1946年にオーストリアのハインツ・ローレンツェン、ドイツのセット・ラインドルの両氏によって競技として紹介されたのが始まりとされている。

鈴が入ったボールを相手ゴールに投げ、守備側も音を頼りにゴールを守る、という競技。視力の程度にかかわらず、アイシェードという、光を通さない加工をしたスキーゴーグルタイプのものをつける。晴眼者も同じ条件で行える競技でもある。

1チーム3人で、バレーボールと同じ広さのコートを使い、両サイドにサッカーのゴールを低く(高さ1.3メートル)したコートいっぱいの幅9メートルのゴールにボールを転がして入れ合う競技と思ってもらえばいい。

使うボールはバスケットボールとほぼ同じサイズで、鈴が2個入っている。これが大きな特徴だ。まったく見えないから、頼りになるのは音だけ。この音を頼りに転がってきたボールに身を投げ出して防ぐ。防いだら、攻撃の権利を得る。これを前半、後半12分で攻防を繰り返す。

ボールを投げるにあたって、高くバウンドさせてはいけない、10秒以内に投げるなどのルールもあるが、詳細は日本ゴールボール協会のHPで確認を。

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