これからの日本に降りかかる「住まい」の大問題
人口減少・単独世帯の増加、家はどうなるのか

国土交通省の専門委員会である「企画・モニタリング専門委員会」で、日本の人口の長期的な動向や東京圏への転入超過などを分析した結果などが報告された。人口の減少や偏在など、人の動きの課題が浮き彫りになったが、今後の住まいにどういった影響があるのだろうか?
人口減少と高齢化、単独世帯の増加
日本の総人口は、明治時代以降急速に増加し、2008年にピークとなる1億2808万人(高齢化率22.1%)に達した。しかし、今後100年間で100年前の明治時代後半の水準にまで戻る可能性があるという。報告書によると、2100年の総人口は中位推計で5972万人(高齢化率38.3%)、低位推計4906万人~高位推計7285万人の範囲になると予測している。
また、世帯の構成については、「夫婦と子」の核家族の減少と「単独」世帯の増加が顕著だ。1980年に42.1%を占めた「夫婦と子」世帯が2040年には23.3%に減少するのに対し、「単独」世帯は19.8%から39.3%にまで増えるという予測だ。
さて、そうなるとすでに住宅の数は充足しているので、「家余り」がさらに加速することになる。かつては夫婦に子ども2人が標準世帯とされ、4人家族で暮らす住宅が数多く供給されてきたが、家の広さや部屋数の多さよりも、利便性の高い立地に適度な広さの住宅の需要が、今後ますます高まるということになる。