学生服販売店が「ランドセル」に求めた活路

母親向けに講座、小学生に無償塾の開設も

ランドセルや学生服の販売を通じ、青少年の育成にも携わりたいと語る山耕の山田耕一郎社長=福井県越前市村国1丁目のイクラボ武生店(写真:福井新聞)

落ち着いた店内にずらりと並ぶランドセル。“工房系”と呼ばれる職人手作りの高級モデルが看板商品だ。

学生服製造・卸を生業にする山耕(福井県越前市小松2丁目)が、4年前に異業種ともいえる小売り分野に進出、福井市内にオープンさせた福井県内初のランドセル専門店「イクラボ」。

子育て(イク)の研究所(ラボ)という意味を店名に込め「いつの日か、子どもたちが遊んで学べる施設をつくりたい」と4代目社長、山田耕一郎さん(46歳)の夢は膨らむ。

少子化に危機感から新たな事業へ進出

山耕は山田さんの曾祖父が1933年に創業した。「小さい頃から祖父母も両親も一緒に働く姿を見てきた。息子は自分1人。自分が継ぐものと考えていた」と山田さん。1998年に入社し、学生服の県内シェア拡大に取り組み、2010年社長に就任した。

事業を承継したものの「少子化が進み、利益が出なくなってきた。学生服1本では難しい」と、先行きに危機感を抱いていた。現状を打破しようと「直接、消費者のニーズを吸収して制服の価値を高めたい」と小売業への進出を決めた。

学生服のほかに商材を検討する中、2014年に東京のランドセル専門店を視察したのが転機になった。「家族連れが楽しそうに品物を選ぶ姿が印象的だった。学生服と客層も重なる」。ショップのイメージが固まり、新規事業に反対していた会長である父親を押し切ってイクラボを開業した。

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