50以上の家具・家電「借り放題」付き賃貸の正体

カスタムアパートメントとはいったい何か

都市ではなかなか感じることのできない、隣の人の顔が見える暮らし。その魅力について、千丈さんはこう続ける。

「僕は東京出身なんですけど、ここに引越すまでの1年はたまたま仕事の関係で地方を転々としていて。それで分かったことがあるんです。

地方では生活する地域で働いている人が多いため、働いているときも暮らしているときも人の顔が見えるということ。一方東京は、東京で働いていても暮らす場所は別の地域だったりするし、生活する時間帯も違うから、人がたくさんいるのにすぐ近くにいる人は知らない人だったりします。

春には桜も美しい多摩川沿い(写真:片山貴博)

当たり前のことなんですけど、ずっと住んでいるとなかなかそれに気づかない。地方だといつも誰かに見られているように感じる人もいるかもしれませんが、東京にずっと住んでいた僕からすると、いつもそばに知っている人がいることってすごく安心するんですよね。それは、東京に欠けているような部分だとも思うんです。

この カスタムアパートメントの取り組みは、近くの人と顔を合わせることができる。“あそこに行けば誰かがいる”という安心感って大事じゃないですか。リビングカフェでも、日常的に使うモノの貸し借りを通して、人とのつながりを感じてもらいたいです。そういう安心できる場所があるだけで孤独じゃなくなるし、ライフスタイルは変わると思うんですよね」

「地域コミュニティを担う場を目指したい」

また、カスタムアパートメントの住民だけではなく、近隣の住民やお店の常連さんにも優しい場所をつくりたいと語る千丈さん。

「ここは多摩川沿いで、ランニングや散歩をする人が多い場所。ご近所さんにお散歩途中に気軽に立ち寄ってもらったり、地域の人がわいわいできる場として活用してもらえるようにしていきたいですね。また、今後は地域の人もここのレンタルアイテムを借りられる制度をつくってもいいかもしれません」

ミニマリストやアドレスホッパーなど、モノを持たない新しい生き方が提案されている昨今。カスタムアパートメントは、モノを介して生まれるコミュニティ、いまの時代に必要なちょうどいいつながりの豊かさを感じられる場所になりそうだ。

まだ始まったばかりのカスタムアパートメントの取り組みに今後も注目したい。

■取材協力
デモクラシ。
カスタムアパートメントは2019年11月ごろ、初の関西展開となる「カスタムアパートメント灘」が完成予定。2019年夏ごろより問い合わせ開始。
カスタムアパートメント
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