胃がん検診「内視鏡」「造影」どちらが有効か

初期に自覚ほぼなし、専門医が見逃すことも

会社や地域で行われる胃がん検診では、バリウムを飲んで撮影する造影検査が大部分で、人間ドックでは希望に応じて内視鏡検査が受けられることがあります。

時々、「やっぱり内視鏡検査のほうがいいんですか?」とか、「造影検査なんて意味がないのよね」と聞かれることがありますが、さて、本当はどうなのでしょうか。

管の強みは内視鏡検査ができること

内視鏡検査では、内視鏡という細長いチューブの先にカメラをつけて、管の内部や内臓の様子を観察します。

口または鼻から内視鏡を入れれば食道、胃、小腸の一部である十二指腸まで見られますし、肛門からたどれば大腸全体を検査できます。

最近は、通常より長い特別な内視鏡を使って、十二指腸の先の小腸も観察できるようになっています。

さらに、膵臓(すいぞう)からやってくる膵管(すいかん)と、胆囊(たんのう)から流れ出す胆管(たんかん)は十二指腸に出口があるため、口からずっと内視鏡を入れて膵管、胆管を調べることもあります

内視鏡検査では、内視鏡という細長いチューブの先にカメラをつけて、管の内部や内臓の様子を観察します(写真:romaset/iStock)

生きている人の胃に管を入れて、中を初めて観察したのはドイツ人の医師で、1868年のことでした。長さ47センチメートルの金属の管を使い、剣を飲み込む大道芸人で実験したそうです。

医学検査に使える本格的な内視鏡の開発は主に日本で進められ、1950年に1号機が誕生しています。

その後も改良を重ねた結果、現在ではハイビジョン技術を用いて、高画質の画像が得られる内視鏡や、直径がうどん1本くらいで、鼻から入れる内視鏡が作られています。

ただ、細い内視鏡は検査を受けるのは楽でも、性能の点では、口から入れる一回り太い内視鏡に劣るようです。難しいところですね。

消化管のほかに、気道に内視鏡を入れる気管支鏡検査もあります。消化管用の内視鏡より細いチューブを口か鼻から入れて、気管が細かく枝分かれした先まで進め、肺の様子を調べます。

尿の出口から膀胱(ぼうこう)までたどる膀胱内視鏡検査もあり、男性の前立腺を観察できます。

いずれの内視鏡検査でも、観察するだけでなく、あやしい組織があれば小さく切り取って顕微鏡で詳しく調べたり、入り込んだ異物や、体内でできた石を取り除いたりできます。

さらに、最近はカプセル型の内視鏡も登場しています。チューブを入れる代わりに、大きめのカプセルを口から飲み込むだけの手軽さです。

カプセルは消化管の蠕動(ぜんどう)運動によって進んでゆき、内蔵されたカメラが画像を撮影して、8時間にわたって体の外に送信します。

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