日米貿易協議で安倍首相に残された「2つの道」

早くまとめるか、時間をかけてゆっくりか

15日からの日米貿易協議に臨んでいる茂木経済再生担当相(写真:Rodrigo Garrido/ロイター)

15日から始まった日米貿易協定交渉では、日本の貿易交渉者のトップである茂木敏充経済再生担当相に2つの選択肢がある。

1つは、迅速な取引につながる“高速道路”だ。この場合、安倍晋三首相がドナルド・トランプ大統領との会合のためにワシントンに出向く今月末にでも合意に至ることができるかもしれない。2つ目は、より長く時間のかかる道で、取引がまとまるのはもっと先のことになるだろう。

日本はライトハイザー氏のリストでは下位

前者を選ぶと進むのは早いが、より危険だ。2つめの場合、時間はかかるがおそらくより安全だろう。しかし、正直なところ、「トランプ国」に安全という言葉は存在しない。

2つの選択肢について説明する前に、両国間の貿易交渉の現状を明確にする必要がある。実際、昨年9月に日米間の交渉開始の共同宣言が発表されて以来、これまで交渉に向けた動きはまったくなかった。4月15日から16日にかけて首都ワシントンで行われる会合は、茂木氏とライトハイザー氏が実際に面と向かって座り、両国間の合意がどのような形になるかの話し合いを始める初めての場となる。

この協議は当初、アメリカの政府機関の閉鎖により延期された。しかし、たとえ最善の状況下であっても、日本はアメリカの通商代表であるライトハイザー氏の優先順位リストでは下位にある。ライトハイザー氏はより重要度の高い貿易問題を抱えているのだ。

たとえば、いまだに保留中の北米自由貿易協定(NAFTA)の代替協定の議会通過だ。広範な貿易協定に関するヨーロッパとの協議もまた、このリストの上位にある。しかし何よりも、アメリカ合衆国通商代表部(USTR)とトランプ大統領自身の時間を最も多く割いてきたのは中国との交渉だ。この協議は進展していると伝えられているが、繰り返し報告されてきた迅速な取り決めはまだ実現されていない。

現時点では「アメリカは依然として中国との交渉を終結させるために全力を尽くしている」とブルッキングス研究所東アジア政策研究センターの経済専門家であるミレヤ・ソリース氏は話す。「茂木氏とライトハイザー氏は最初の会合で両国間協議の範囲を決めることになるだろう」と同氏は予測している。

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