書店のない町で移住女性が本を売り始めた動機

食事も提供、看板メニューは「豚の角煮」

幅広いジャンルの本を取り扱い、評判の定食も提供する柴田智加さん=福井県池田町(写真:福井新聞)

書店のなかった福井県池田町で、移住した女性が出張型の本屋カフェを開業した。町内のコーヒー店内や週末マルシェに出店、古書を中心に小説や絵本、自然科学などさまざまなジャンルを取り扱う。豚の角煮をメインにした提供メニューも人気で、読書欲もおなかも満たされるとファンを増やしている。

町に書店がなく自ら開業

「本屋 とにもかくにも。」は、移住して3年たつ柴田智加さん(32)=福井県小浜市出身=が昨年7月に始めた。書店が好きで、京都大、同大学院で学んだ学生時代は、自宅から徒歩圏内の数店をよく訪れていたという。

転職を機に移り住んだ同町は書店がなく、「近くに欲しい」という思いが自らの開業に結びついた。以前から会員制交流サイト(SNS)に書評を投稿し、「参考にして買ったよ」など友人の感想がうれしかったことも原点にある。

初めは仕入れのノウハウがなく、自分が読んでお勧めできると思った本を販売した流れで、主に古書を取り扱っている。商品は知人らから買い取ることが多く、紀行や料理の研究書、短歌集など、読書好きをうならせる幅広い品ぞろえだ。

提供するスイーツや食事は、化学調味料を使わない調理にこだわっている。豚の角煮は店名の由来になった看板メニューで、本より角煮を目当てに来るお客もいるそう。

柴田さんは「落ち込んだときは書店に行く私のように、いろんな本が存在することで自分も認められていると感じて救われる人がいると思う。本だけ、カフェだけでも気軽に来てほしい」と話している。

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