古典をあえて「曲解」して仕事に応用するコツ

ヴェーバー名著から「新たな顧客創造」考える

カソリックの解釈を大胆に変え、宗教を信じる態度をむしろ、ビジネスへの大事な資質と転換していた。私には、もっとこの同書を大胆に読み替える可能性を感じている。

つまり、ヴェーバーのコメントを、すべて曲解して、現代のビジネスに応用していく可能性である。古典を読む悦びがあるとしたら、この曲解と、発想のきっかけになるからだろう。私は、たとえば、このヴェーバーの分析を、現代マーケティングの新たな顧客創造に使えるのではないかと考えている。

もしかすると、神への冒涜かもしれない。しかし、私が不遜ながら古典を読む価値を考えるのは、たとえば、そんなときだ。

感想を述べあうことにこそ新しいビジネスへの発見が

ところで、この『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を題材として5月9日に読書会を実施する。これまで、古典を読んでこなかったひとこそ歓迎したい。そして、背景などの基礎知識は必要がない。重要なのは、このテキストを、曲解しても、現実社会に役に立てようという意思さえあればいい。これまでなぜだか読みつがれてきたものだから、かならず現代への示唆に富んでいるにちがいない。

私は、この本が哲学的に、あるいは、思想史的にどのように読むのが正統かは興味がない。私はあくまで実務家であり、これを、仕事に役立つ観点で読み解けるかしか興味がない。

そこで、とくに古典を読むときに意識いただきたいのは、次のとおりだ。

1.たとえば、あなたの仕事で尊敬するひとが「この本はヒントにあふれている」といっていたと仮定すれば、どういう学びがあるだろうか。
2.ヴェーバーが、これまで、ビジネスにもっとも遠いと思われていた宗教人を、どのように解釈すれば、近代資本主義の源流と考え得たか
3.そして、なぜか自分自身が面白いと思ってしまった箇所は、なぜ面白いと思ってしまったのか

というのも、私たちに必要なのは、解釈的には間違いかもしれないが、現在の仕事へ役立つ誤解を発見することだ。

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

誤解を発見するとは、奇妙に思うかもしれない。しかし、古典を読んで、意見を交換する際に、「正しい解釈かどうか、わからない」と躊躇したらどうだろう。何もいえなくなってしまう。しかし、私が推奨したいのは、その逆。自分自身はこう読める、という勇気こそ必要なのだ。

そして、3が私には重要だと思われる。古典を読むとは、読みつがれていたテキストを読むことだ。そのなかでも、なぜ特定箇所が、さらに興味深かったのか。それは、歴史の文脈のなかで、自分自身を発見することにほかならない。現代のビジネスは、すべて自己表現になっている。そして、その感想を、読書会に参加した、見知らぬひとたちと交換するのには意味があるだろう。

これまで気づかなかった自分自身を発見する意味でも、読書会への参加を勧めたい。

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