子どもを深夜まで預けられる「夜間保育」の実態

認可保育所が夜間預かりをする理由とは

それでは、認可保育所で夜間保育を行うのであれば、預けたいでしょうか。

「そもそも夜間保育所が近所にないので、考えられないというか。近くにあったら選択肢に入るかもしれません。託児所の辛いところは、休日、夜勤明けの日は預かってもらえないところです。

たとえば、親は夜勤明けで仮眠したいのに、子どもはめちゃ元気。認可保育所の送り出しに間に合えばいいんですが、遅刻厳禁なので預かってもらえないんです。なので、夜勤明けの私がフラフラになりながら公園で遊ばせて、昼を食べさせて午後に子どもとお昼寝、なんてこともあります」

ひええええええ、それは大変……。

これが認可保育所で夜間から昼間まで続けて保育をしてもらえるのであれば、こうしたお母さんの体力的な負担は軽減される気もします(子どもの負担は別として)。

最後に託児所や夜間保育所を見る上でのポイントを聞いてみました。

「夜間の託児所でも昼の認可保育所でも、大切なことは同じ、先生との関係性です。わが家もいきなり夜勤&夜間保育ではなく、日勤で託児所の雰囲気に慣れてから夜勤をするようになりました。夜間は先生と子どもが限られ、密室・少人数になりがちなので、余計、信頼関係が重要かもしれません」とアドバイスしてくれました。

子どもへの影響は?

とはいえ、夜間に預ける身としては、子どもへの影響が気になってしまうもの。ちなみに、前出の酒井さんによると、施設の広さや年齢、食事、保育士の対応など、一定の保育の質が担保された夜間保育は子どもの育ちに好影響があるのだとか。

「夜の預かり保育は、子どもの成長や発達に悪影響を及ぼすという誤解もありましたが、長年の調査/研究により、質が保たれた夜間保育を受けた子どもは『人の役に立つ人になりたい』『人には親切にしたい』などと答えるなど、成長にも好影響を及ぼすという結果がわかっています」(全国夜間保育連盟広報誌「夜間保育」2017年10月号)。

ちなみに、夜間保育を行う認可保育所へ入所を希望するのであれば、通常の認可保育所と同様に、行政に利用申し込みをします。ただ、通常の認可保育所ですら、「保育所、入れなかった」という叫び声があがる昨今、夜間保育を実施する保育所に入るのはより狭き門といえるでしょう。

一方で、夜間保育の需要は年々、増えているのではないでしょうか。特に医療職、介護職などは、夜間の預け先がなく、キャリアを断念している人もいると思います。ただ、酒井さんは、「夜間保育」を実施する認可保育所は、なかなか増えていかないだろう、と指摘。その上で、せめて各自治体に1カ所程度、夜間保育が実施できる予算措置があれば子育て支援の一助になるのではないか、といいます。

今回の認可夜間保育所、知っている人はまだ少数派かもしれません。ただ、子どもの健やかな育ちの「夜の場所」として、夜間保育は必要不可欠です。大切な小さな命とその育ちを守るために、その質・数を充実させる必要があるのではないでしょうか。

■取材協力
全国夜間保育園連盟
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