子どもを深夜まで預けられる「夜間保育」の実態

認可保育所が夜間預かりをする理由とは

もちろん、「子どものために、夜は親といっしょのほうがいいだろう」「民間のベビーホテルがあるんだから、そこに預ければ」「そこまで長時間労働する世の中のほうがおかしい」などの考え方もあることでしょう。

それでは、認可保育所が深夜保育を行う意義について、全国夜間保育園連盟の副会長・酒井義秀さんに聞いてみました。

認可保育所が夜間も預かる理由

「子どもはどんな家庭に産まれても『その子にとって必要とする最善の保育』を受ける権利があります。認可保育所は広さや職員配置等について児童福祉施設としての最低基準を満たし、保育の質が保たれている場所です。子どもたちが長時間を過ごす、夜間保育においてはなおさら“子どもの安全・安心”を守る必要があると考えています」とその意義を教えてくれました。

また、夜間に子どもを預かっているベビーホテルなどは、認可外保育施設という扱いになり、預かり人数や年齢、施設の広さなどの保育環境は認可に比べ低いところが多いため、保育事故が起きやすくなっているという現状があるそうです。夜間保育を必要とする人が増える中、万一、保育事故が起きてしまってはまさに悲劇です。認可保育所で夜間保育を行うのは、こうした「悲劇を防ぐため」の水際の戦いといえるのかもしれません。

また、夜間保育所は開所時間が長く、子どもの滞在時間が一人ひとり異なり、個別の配慮が必要なうえ、シングルでの子育て、深夜帯の業務など保育が必要となる家庭環境も様々。夜間保育所の保育士には相応の保育スキルが求められるのだそうです。保育のプロによる子どもの安全な居場所が必要であることは間違いないようです。

ちなみに筆者の友人であるNさんも、昼間は認可保育所に預け、夜は職場内の施設で運営する私設の託児所に子どもを預けて仕事を続けています。Nさんが夜勤のときのみ、「夜間保育」を利用している形です。それでは、夜も子どもを預けるという「夜間保育」そのものについて、不安などはないのでしょうか。

「上の子どものときは、正直、かわいそうかなとも思いましたが、親としては慣れてしまえばそれほどでもありません。夜勤は正社員として働き続けるのであれば避けて通れないと考えています」といいます。

子育て中はなにかと出費がかさむもの、夜勤につく手当も教育費などに充てることができます。夜勤があるときは昼に家事を済ませ、夕方に子どもを認可保育所に迎えにいき、入浴させてから託児所へ。料金は夜ごはん、朝ごはんの2食付きで1回1000円。職場の託児所なので、夜間であっても過去には「業務中ですがお子さんが不安がっているので、お母さん、顔を見せて」なんて呼び出しもあったそう。

「職場の託児所でよいことは、距離が近いので夜間でも安心感があること。また、子どもの人数もそれほど多くないので、子どもと先生が1対1、なんてこともあります。より和やかで家庭に近い感じなので、下の子どもなどは“自分の好きな遊びができていい”といっていました」とお子さん自身も気に入っていたそうです。

ただ、同じ職場であっても、託児所を利用しない職員もいるそうです。

「職員によっては夜、子どもを預けることに抵抗があり、夜勤を免除してもらいながら働く人もいますし、託児所で一時的に預かり、仕事を終えたお父さんがお迎えにくる人もいます。各ご家庭の考え方にもよりますね。わが家は、認可保育所と私設の託児所を併用していますが、夫の勤務状況や子どもの負担を総合的に考え、私の夜勤時には夜間保育の利用がベターだと考えています」とNさん。

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