4冊の本が教えてくれた目指すべき経営の理念

実践して自分の知恵となるまで何度も読む

読書で得た知識をどのように経営に生かすか。通り一遍な読み方では身に付きません(写真:Vesnaandjic/iStock)
デジタルコンサルティングファーム、プリンシプルの楠山健一郎社長の体験から導き出された「アメリカにおける起業の極意」。連載第5回は経営者からみた「読書」について。自身に大きな影響を与えた4冊の本をいかに読み込み、起業やビジネスに生かしたのかを紹介します。

私はビジネス書を好んで読むが、読み方としてはなるべくなんども同じ本を読んで、実践して自分の「知恵」となるように心がけている。読んだだけで実践を伴わないものは単なる「知識」にとどまってしまう。私が経営者として大きなヒントを与えた4冊の本をどのように実際の経営現場で実践したのか紹介したい。

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1冊目はスティーブン・R・コヴィー博士が書いた『7つの習慣』である。40カ国以上の言語に翻訳され、全世界で3000万部を超える大ベストセラーだ。

実は大学生のときに経営書として薦められるままに読んだのだが、当時はほとんど記憶にない。「当たり前のように思えることが書かれている」という印象を持ったのだ。

再読した『7つの習慣』に背中を押された

次に本書を手にしたのは、起業を志したときだった。当時の私はアメリカに渡るという夢を持つも果たせず、また起業をしようと思うも、「もし失敗したら多くのものを失ってしまう……」と、その怖さに一歩を踏み出せなかった。しかし、チェレンジすることができたのは、この本を読んで大いに背中を押されたことが大きかった。

とくに印象的だったのが、「第2の習慣」として紹介されている、「終わりを思い描くことから始める」という一節だ。人生の最後をイメージして今日を始めるということなのだが、つまりは自らの葬儀の場面を想像して「自分がどのような人生でありたいか」を自身に問えということだ。

結果、最後に「後悔のない人生を送った」と思うためには、「たとえ安定した生活を捨てることになっても現状に立ち止まることはありえない」と当時の私は結論づけた。起業への不安を取り除いてチャレンジすることができたのだ。

本書の「自分のミッションは自分で探すものだ」という一節も心に残っている。つまり、生き方の指針は自身のルーツに立ち戻ることが重要であるということだ。私の場合は、父親が海外の企業で活躍し、世界で勝負していたことが原点だった。「自分は日本にとどまっているべきではない。世界で勝負したい」ということを再認識するきっかけになったのも、この本だった。

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