子どもを「花粉症にさせない」ためにできること シカゴ大教授が説く「最強の免疫力」の育て方

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免疫の強い子と弱い子の違いはどこで生まれるのでしょうか。そこには「動物と触れ合うこと」が深く関係していました(写真:MakiEni/PIXTA)
つらい花粉症の季節がやってきた。目は痒く、鼻はむずむずし、くしゃみが止まらない……。わが子にはこんな目に遭わせたくないと考える親御さんもいるだろう。
子どもを花粉症から守りたいなら一体どうすればいいのだろうか? 実は、幼少時に動物と触れ合うとアレルギーを発症しにくいという研究結果がある。町で育った子どもと比べて、牧場で育った子どもは花粉症や喘息になることが半分ないし3分の1少なかったのだ。
シカゴ大学外科学教授のジャック・ギルバートらが上梓した『子どもの人生は「腸」で決まる 3歳までにやっておきたい最強の免疫力の育て方』は、「子どもを牧場に連れていくべき?」「薬用石鹸を使うべき?」「抗生物質は腸に影響する?」といった親御さんからの素朴な疑問に答える内容となっている。ここでは、本書の本文から抜粋し、一部編集のうえ掲載する。

干し草に寝転び、動物と触れ合おう

これまでの研究で、清潔すぎる環境はかえって子どもによくないことがわかっている。一方、細菌と触れ合うことで子どもの免疫力は高まり、病気になりにくくなる。それでは、子どもを適度に細菌に触れさせるにはどうすればいいのだろう。

『子どもの人生は「腸」で決まる 3歳までにやっておきたい最強の免疫力の育て方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

信頼できる最新の研究結果によると、「子どもを牧場に連れていくべき」と言える。できるだけ早期に、しかもできるだけ頻繁に連れていってあげよう。牧場では、好きなだけ動物をなで、動物が嫌がらないようなら頬をすり寄せてもよい。

土、泥、粗土、ほこり、そこにあるもの何でも楽しませてあげる。干し草の中に寝転がってもいい。動物に手ずから餌をあげるのは楽しい。1つだけ注意すべきなのは、床の上に落ちている動物のフンを食べさせないこと。動物、とくにブタ、爬虫類、両生類は、病気の原因となる寄生虫や細菌を持っている(フンだけでなく皮膚にも持つ)。

私たちの祖先は特定の動物を家畜にした。イヌは狩猟と見張り番に、ウシは乳と肉に、ブタ、ニワトリ、ヤギ、ウマ、ネコはいろいろな目的で家畜にされた。家畜となって牧場、畜舎、家に入った動物が畜産農家の人々の免疫機能を形成した。やがて、これらの動物は遠い親戚のあなたとあなたのお子さんの免疫機能も形成した。私たちは、こうして家畜を育てた人々の子孫なのだ。

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