食事制限すれば「簡単にやせる」と思う人の盲点 3カ月後の「停滞期」に焦ってはいけない

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ダイエットはすぐに成果が出るものではありません(写真:kazoka30/iStock)

「手っ取り早い」ダイエット法といえる食事制限。程度の差はあれ、取り組んだ経験がある人も少なくないのではないでしょうか?

しかし食事制限を継続するのは簡単ではありません。食事制限の継続可能期間を調べた研究によると、約半年後には元の食事に近い状態に戻ることが判明しています。

拙著『1週間で体が変わる 食べながらやせるすごい方法』でも解説していますが、食事制限でダイエットをするなら、体のシステム上、永遠に食事を減らし続けても体重の維持は難しいでしょう。

食事制限の継続は極めて難しい

低糖質の食事をするように指導された人たちと、低脂質の食事をするように指導された人たちの、糖質・脂質の摂取量推移を15カ月間追ったデータがあります。どちらも3カ月は低糖質・低脂質を維持できていたものの、そこから糖質や脂質の摂取量が増加。6カ月後には成人の平均摂取量、つまり食事制限を始める前の状態にかなり近づいていたのです。 

その後、9カ月の間に微増減はあるものの、糖質量や脂質量をセーブした状態に戻ることはありませんでした。もし半年以上継続できていたとしても、拒食症や過食症など摂食障害のおそれが高まっていく一方なので、ダイエットが成功していたとは考えにくいでしょう。

約3カ月でダイエット挫折者が増える原因の1つに、停滞期が挙げられます。過去のダイエット歴、元の体重、体型、体質も影響するので厳密な数字は出せませんが、停滞期は3カ月間のうちに1~2回訪れるのが一般的です。これは「ホメオスタシス機能」という体を守る働きによって起こります。

ホメオスタシス機能とは、外からのさまざまな刺激を受けても、体温や血液量などを一定量に保つ働きのことです。食事制限をしてエネルギー摂取量が減り、1カ月で5キログラム以上減るとホメオスタシス機能が作動。今の体重に順応するのに時間を要します。これが体重の減少をいったん食い止める「停滞期」に当たるわけです。 

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