「人をダメにするベッド」が客を虜にする理由

家具ECの風雲児ベガはなぜ勝ち上がったか

ベガコーポレーションの大ヒット作「人をダメにするベッド」。SNS映えしやすいネーミングが受けてツイッターで拡散。またたく間に消費者の心をつかんだ(撮影:梅谷秀司)

「人をダメにするベッド」――。その不思議な名前の商品が登場したのは2014年1月のことだった。

ヒット商品を生み出しにくいとされた家具業界で、ツイッターなどのSNSでジワジワ話題になった、ロングランのヒット商品だ。売り出したのは家具ネット通販(EC)の「LOWYA(ロウヤ)」(ベガコーポレーション運営)である。価格は3万3990円(税込み)。

なぜ人をダメにするベッドなのか。ロフトベッドには、洋服ハンガーや棚、スマートフォン(スマホ)の充電コンセント、PCや読書、食事ができるデスクなどが手の届く範囲にある。ベッドにいながら生活が完結。あまりに便利すぎて、秘密基地さながらの外観を呈するベッドの中から、抜けられなくなるという。それだけ人を虜にしてしまう。

期待されなかったのに、ツイートで突如拡散

実はこの商品、当初は社内でも、「売れるわけがない」といった意見が多く、「このまま売り切って終わるか」くらいの位置づけだったという。もともとは、ステーションベッドというジャンルで他社商品が存在していたが、おしゃれで機能的な商品がない。そのため、ステーションベッドのニーズを追求し、自社でデザイン・開発をした。期待されなかったものの、発売3カ月後の4月、ブログ経由で多大なアクセスが流れ込み、ツイッターで1日100人くらいだったアクセスが突如、5000人になって拡散。想定より10倍も売れる結果となった。

同商品を元祖に、ベガではその後も、「おしゃれに『人をダメにする』ベッド」などシリーズ化して販売。これまたツイッターで話題となり、今でもツイートがやまない。

「このベッドが1個あったら、日曜日、このベッドだけで生活できるというようなベッドです」とベガの創業者である浮城智和社長(42)は笑う。

若者のインドア志向、SNS映えしやすいネーミング、一人暮らしが主流となった都市の住宅事情。それらの要素が見事に合致し、20代から40代前半の消費者たちの心をとらえた。

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