震災で廃業した民宿の娘が「民泊」を始めたワケ

ゆくゆくは「ゲストハウス開業」を目指す

――民泊「あずま家」の物件を見つけたきっかけは?

仲見世通りにある民泊「あずま家」の外観(写真:熊谷寛之/フォトスタジオクマ)

東谷:「釜石ローカルベンチャー制度」の2017年当時の募集テーマが、釜石観音のふもとにあり、かつて観光地として栄えた「仲見世通り」の再生でした。

仲見世通りはかつて20店舗以上が軒を連ね「人にぶつからずに歩けない」と言われるほどにぎわっていたそうです。しかし現在は「あずま家」とシェアオフィス「co-ba」の他は、飲食店が1店舗営業をしているだけとなってしまいました。

ここで空き店舗や空き家を活用した事業を行うメンバーの募集があり、私がエントリーしたのがきっかけです。ここ仲見世通りにはローカルベンチャー制度の地域パートナーがいて、その方に今のあずま家の物件を紹介してもらいました。以前は1階がお蕎麦屋さん、2階が住居だったと聞いています。

現在は2階部分を民泊として運営しています。1階部分には近々カフェがオープンする予定です。

カフェの開店資金はクラウドファンディングで集り、目標額の109%となる約440万円を集めた(画像:キャンプファイヤーHPより)
「釜石ローカルベンチャーコミュニティ」の二期生は、東谷さんを入れて計5人。三井不動産レジデンシャルを退職し、「あずま家」のある仲見世通りの活性化に取り組む神脇隼人さん(30)らが活動している。1階部分のカフェをオープンするための資金は、神脇さんを中心にクラウドファンディングで募った。最終的に約440万円(目標金額の109%)を集め、クラウドファンディングは大成功。神脇さんは「目標金額達成はゴールではなくスタート。皆さんの思いを、必ず形にしていきたい」とコメントを寄せた。

「あずま家」の1日

――東谷さんもここに住んで民泊を運営されているとか。1日をどのように過ごしているのでしょうか。

東谷:まず客室は全部で3部屋で、最大で7人が泊まれます。

入り口では、手書きのメッセージボードと羊がお出迎え(写真:熊谷寛之/フォトスタジオクマ)

チェックアウトは朝10時、チェックインは夕方4時。午前中はお洗濯や掃除で終わってしまうので、お昼過ぎからチェックインまでが自分の時間です。

「1人で大変だね」と言われることもあるのですが、そんなに大変だと感じることはないんですよ。

2018年9月に始めてからまだ5か月ですが、物件の家賃と光熱費は民泊で稼ぐことができています。「釜石ローカルベンチャーコミュニティ」からの活動資金を加えて、事業として軌道に乗せていければと思っています。

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