「花粉症」悪化させる物質が都会に多い理由

スギ花粉飛散量ピークは3月、未発症でも注意

ストリーマ技術が脱臭や除菌をはじめとする空気清浄に一定の効果を持っていることは、研究によって以前から明らかにされていた。しかし、上記のようにパワーが強すぎるからこそ、ストリーマ技術の実用化には長らく着手されてこなかったという。

商品開発を担当した、同社空調生産本部 商品開発グループ主任技師の深津雅司氏はこう語る。

ダイキン工業 空調生産本部 商品開発グループ 主任技師 深津雅司

「ストリーマ技術は広大な空間を脱臭・除菌できるほど大きなパワーを持っている。当社はこのポテンシャルに目をつけたのです。技術の信頼性を高めて実用化し、子どもからご年配の方まで誰でも安全に使えるようにすることで、多くの人の生活課題解決に貢献できるのではないかと考えました」(深津氏)

もともと同社では、集塵(しゅうじん)機能が空気清浄におけるメインと捉えられていた。それでもストリーマ技術の実用化に腰を据えて取り組んだのは、空調の4要素「温度、湿度、気流、空気清浄」のすべてに徹底的にこだわり続けてきた、空調専業メーカーだからこそ。

深津氏は「花粉症の方が増えたり大気汚染への関心が高まったことで、有害物質対策へのニーズが高まっていきました。そこで、当社では2000年頃からストリーマ技術の研究開発に着手したのです」と振り返る。

花粉+排気ガス+PM2.5をまとめて分解

結果、同社はそれまで難しいとされていた「大量の高速電子を安定的に作り出す」技術の開発に成功。花粉や菌などの活性を抑えるストリーマ技術を確立し、チューニングなどを経て、2004年に実用化にこぎつけた。

「実際、ストリーマを一定時間照射することで、排気ガスやPM2.5といったアジュバント物質の活性を大きく抑制できることが実証されています」と、深津氏は胸を張る(下図参照)。アジュバント物質と手を組んだ厄介な花粉に悩まされている都会の人々にとって、なんとも心強い技術だ。

スギ花粉のみのA群に対して、排ガスとPM2.5を加えたD群は、アレルギーを起こす強さが2.36倍になった。しかし、そのD群に48時間ストリーマ照射を行ったE群では、同指標がなんとD群比で92.4%も低減された

田中氏も「健康に有害とされるものを素早く除去し、心地よい空気を作り出す。そんなクオリティーの高い技術を提供し続けることで、これからも生活課題の解決に貢献していきたい。世の中のニーズがある限り、それに応えていきたいと思っています」と力強く語る。

ダイキンはこうした技術開発のほかにも、「ストリーマ研究所」を開設。ストリーマ技術の概要や、国内外の研究機関と実施した実証実験の結果をまとめている。また花粉に限らず、インフルエンザやカビ、ダニといった空気にまつわるさまざまな生活課題に向けて、コンテンツを発信している。

簡単にできる花粉症防止の工夫としては、帰宅時に玄関前で衣服や髪についた花粉を払って室内への侵入を防ぐこと、こまめに家の掃除をして花粉を除去することなどが挙げられる。しかし、気をつけていても花粉を完全にシャットアウトすることは不可能だ。本格的な花粉シーズンを迎える前に正しい知識を身に付けて、今年こそ万全の態勢で乗り切ろう。

家族を「花粉症」の悪化・発症から守るために……今日できること

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