インド人材「手間かけて育てる」が近道の理由

技術、工場のルール、規律まで丁寧に教える

アジア・オセアニアでは、毎年1,000人規模の現地人材を採用しているダイキン。どの国においても人材の育成には力を入れてきた。

「各地域でダイキンの成長を支えるのは、最後は現地の人なんです。国ごとに教育するのはもちろん、地域横断で若手の優秀な人を日本やアジアの大きな拠点に集めて教育するプログラムも設けています。また、海外子会社の課長クラスを対象としたプログラム、部長クラスの幹部候補を対象としたプログラムも設け、中間層の底上げを図っています。さらに社長・取締役クラスを対象としたプログラムは、日本の本社で開催し、ダイキン工業の経営陣も関わりながらダイキングループの経営層を育てています。

そういうことにお金をかけて、ローカライゼーションを進め、現地の人をどんどん起用して経営を任せていく。海外の子会社から、ダイキングループの経営を担う人材も出てくると思います」

実際に、ダイキンの役員陣には、複数の外国人が名を連ねている。中国の子会社で、幹部として中国事業の成長を支え、現在はダイキン工業の取締役を務める者もいる。

今やダイキンの社員は、85%が外国人だ。とくに平均年齢が低いアジアでは、責任あるポジションで活躍する若手も多く、日本から研修で派遣された若手社員との交流によって、切磋琢磨する環境も生まれているという。すでに国を横断しての人材異動も始まっている。

「自らの成長を求める優秀な社員に対して、キャリアパスを示すということを重視しています。自国内だけでなくアジア域内での異動も考えてあげる。例えば、インドの人材をオーストラリアに、シンガポールの人材をベトナムに配置してもいい。そうすることで、子会社の社員のモチベーションも上がるはずです」

インドを足がかりに、アフリカへ

ダイキンは、インドで築き上げた生産・販売・サービスというインフラを足がかりに、アフリカへ進出するという。

インドにあるトレーニングセンターでは、東アフリカの人材も教育する

「気温が50度を超えることもある高外気温のアフリカは、インドと気候が似ているため、ニーズに合った製品を供給しやすい。とくに、東アフリカはインドとのアクセスもよいため、インドの工場で生産して輸出しやすいというメリットもあります。

さらに、アフリカには印僑と呼ばれるインド系移民が数多くおり、印僑コミュニティーが形成されている。東アフリカへは、インドから進出する予定です。その際、印僑コミュニティーのネットワークを活用することで、より確実にビジネスができるはずです」

アフリカでも当然、販売店やサービス網を構築する必要があり、インドにあるトレーニングセンターで東アフリカの人材教育を開始したという。

「アフリカで重要になってくるのは、やはりコスト力です。アフリカは政情も不安定ではありますが、今から準備しておかなければ、中国企業に対抗できません」

自前で「人」を育てながら、アジア・オセアニアで成長を続けるダイキン。アフリカでの今後の展開にも期待がかかる。

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