特急料金、1駅ずらせば数百円も節約できる 50kmごとに上がるシステムをうまく活用

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常磐の特急「ひたち」(E657系)。特急料金は距離で決まるが、乗降駅を少しずらすだけで割安に利用できる区間も存在する(写真:ゴスペル / PIXTA)

筆者は千葉市内にある実家への帰省に特急「新宿わかしお」「新宿さざなみ」を利用する。ある日、都内へ戻る車内で車掌から千葉―新宿の特急券を買い求めると、「510円です」との車掌の声に、隣の席の女性が「えっ! 千葉―新宿が510円なんですか?」と驚いた。

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女性は「私は茂原から船橋なんだけど、千葉から新宿のほうが距離あるんじゃないの?って思って」。新宿―千葉は46.3kmで、自由席特急料金は「50kmまで」の510円だ。これに対して茂原―船橋は50.3km。0.3kmの差で「100kmまで」の930円になってしまうのだ。たった0.3kmの差で特急料金が420円も違うなんて……と思うのは筆者だけだろうか。

だが、もし船橋の1つ手前の津田沼で降りれば46.8km。津田沼―船橋間は快速も各駅停車も本数は多く、所要時間は数分だ。

そこで今回は、乗車駅や降車駅を少しずらすだけで大幅に特急料金を節約できる乗車例を紹介したい。(特急料金は通常期)

乗る駅を1つずらすだけで…

東海道線

東海道線といえば特急「踊り子」だ。伊豆への旅行などでおなじみの列車だが、熱海を目的地として乗車する人も多いだろう。東京から熱海までは104.6kmで、特急料金は自由席が1340円、指定席が1860円である(「スーパービュー踊り子」以外)。

あと数キロ短ければ100kmを切り、自由席なら930円、指定席なら1450円で済む。そこで、品川からの乗車に変更してみてはいかがだろうか。すると熱海までの距離は100kmを切り、410円安くなる。

常磐線

日立グループ企業の拠点を沿線に抱える常磐線。出張などで特急「ひたち」「ときわ」を利用する人も多いのではないだろうか。そこで東京―日立間を見てみよう。同区間は152.7kmで特急料金は2200円だ。自由席料金はない。

これを上野発着にすると149.1kmになり、「150kmまで」の1550円となる。料金差は実に650円。往復なら1300円浮き、ちょっと高めの駅弁が買えるほどだ。

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