4月に誕生、世界鉄鋼3位「日本製鉄」の実力度

世界的な「鉄冷え再来」をどう乗り切るか?

記者会見で握手を交わす橋本英二・新社長(右)と進藤孝生・現社長(撮影:風間仁一郎)

鉄鋼最大手の新日鉄住金は4月1日、社名を「日本(にっぽん)製鉄」に変更する。同日付けで橋本英二副社長が社長に昇格、進藤孝生社長は代表権のある会長に就く。

同社はここ1年、日新製鋼の完全子会社化や特殊鋼会社の取り込み、インド鉄鋼会社の買収など、拡大路線を突き進んでいる。新しい社名と新しい社長がそろい踏みでグループ再編を仕上げ、世界に打って出ることを名実ともに表明する。「日本製鉄」初代となる橋本新社長には、海外展開を軸にした成長加速の任務がのしかかる。

海外経験、幅広い人脈持つ新社長

旧新日本製鉄と旧住友金属工業が2012年に経営統合してから、約6年が経過し、余剰設備の集約によるコスト削減や社内融和は進んだ。だが、世界粗鋼生産の半分を占める異形の存在となった中国鉄鋼各社が安値輸出を繰り返し、世界的な”鉄冷え”の嵐に襲われた。新日鉄住金の業績は2016年と2017年の両3月期、2期連続の減収減益に陥った。

その後、中国政府主導による過剰設備廃棄による市況回復で、ようやく業績が改善したのを受け、打ち出したのが2017年に子会社にした日新製鋼をさらに一歩踏み込んで完全子会社化にすることだった。さらに、特殊鋼のスウェーデン・オバコ社の買収と持ち分法適用会社である山陽特殊製鋼の出資比率を引き上げて子会社化。仕上げには、ライバルである鉄鋼世界最大手の欧州アルセロール・ミタルと組んでインド・エッサール社の買収に踏み切る。

1月10日の記者会見で進藤社長は、橋本氏を後継に起用した理由について、「海外営業のキャリアを中心に国内外の自動車、厚板、建材の営業を幅広く経験している。需要の拡大する海外が今後のビジネスの主戦場になるわけで、海外事業企画の経験も豊富。営業活動や事業企画を通じて国内外の顧客、海外鉄鋼メーカートップと幅広く濃い人脈を構築している。新日鉄住金の戦略実行にはふさわしい人物と考える」と説明した。

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