事実婚が同性・多重婚と同列に語れないワケ

従来型の「結婚」にこだわることの不思議

「結婚」という言葉から、何をイメージしますか?(写真:vivanity/iStock)

新年あけましておめでとうございます。

お正月はとりたててすることもなく、ぬくぬくと過ぎていく。箱根駅伝を見るともなく見ながら「今年は青学が優勝じゃないのかなぁ」なんて思っていたら、母から「あなた、本当に結婚しないの? 年を取ってから結婚していないと意外と寂しくない?」と真顔で尋ねられた。私の年齢が理由なのか、それとも東京という都会に住む人の距離感がそうさせるのか、考えてみると、最近、ここまでの直球はまれである。

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

抽象的に結婚してみたいと思ってはいるけれど、30歳を目前にしたときほどの切実感はさほどない。というのも、ここ最近とみに「結婚」というものが揺らいでいるからだろう。

お正月に向けて帰省する移動中に立て続けに2つ、結婚に関するニュースを見た。ひとつは「事実婚」。最近の芸能人カップルが、特定のパートナーと安定した関係を築き、周囲にも隠すことなく互いの存在を認知させながら、「結婚」という法形式にこだわっていないという話。

つづいて「多夫多妻」。経済的に安定していて、精神的にも頼りがいのある男性はすでに結婚している場合も多い。「本妻」でなくてもいいから、もう一人二人のパートナーを公認させる制度があっても良いと思うという主張だった。

この「事実婚」も「多重婚」も、同性婚を含めて「多様な家族の形」を国家が認めていくべきだという、同じような内容におさまっていくことが多い。

「事実婚」と「同性婚」や「多重婚」は全然違うんじゃない?

だが、私は「事実婚」と「同性婚」や「多重婚」は、全然目指しているところが違うと思う。特に「同性婚」と「事実婚」の主張はむしろ真逆に向かっているんじゃないかと思っている。

「事実婚」というのは、要は結婚の世俗化である。ベクトルとしては現実派の方へと向かう。

「結婚」というと人は何を思い浮かべるだろう。「富めるときも貧しきときも」と誓いを交わし、「皆様、席をお立ちになるのは自由です。お近くまで来て良いお写真をお撮りください」と司会が連呼し、そうまで言われて黙って席に座ってるのもなんか悪いかなぁとスマホ片手にウェディングケーキのそばに近寄った群衆を前に、どう見ても大きすぎるケーキを新婦が新郎の口にねじ込む……ちょっと結婚の捉え方に悪意がある?

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