AIで日本の雇用が壊れる悪魔のシナリオとは? 30代半ばから40代の人が一番危ない?

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AIやRPAは今後5年でiPhoneのように爆発的に普及する。日本の雇用に詳しいリクルートワークスの大久保幸夫所長(右)は、「悪魔のシナリオ」が実現する可能性を指摘する(撮影:風間仁一郎)
いま、AI(人工知能)と雇用の未来に関心が集まっている。急速に進化を遂げるAIは、日本の雇用にどのような影響を及ぼすのだろうか。1980年代から一貫して日本の雇用動向をウォッチし、数多くの提言を行ってきたリクルートワークス研究所の大久保幸夫所長に話を聞いた。

AIやRPAは今後iPhoneのように爆発的に普及する

中原圭介:iPhoneは2007年に発売されて11年あまりしか経っていませんが、iPhoneが出たときには誰も世界がスマートフォンによってこんなに変わるなんて思っていませんでした。iPhoneの販売台数を見てみると、最初の5年間は前年比で平均2.4倍も売れ続けていたわけで、10年も経たないうちに携帯電話の市場がスマートフォンに席巻されたわけなのですが、これは、新しい革新的なモノが誕生すると、爆発的に普及してくる典型的なケースだといえます。

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日本におけるAIやRPA(ロボットによる業務自動化)の普及元年を2017年とすれば、私は最初の5年間の普及率はiPhoneに勝るとも劣らないと見ているので、2021年までの5年間で2017年の3倍、9倍、27倍、81倍といった具合に企業間での普及が爆発的に進んでいくのではないかと考えています。10年単位で見ると、大企業から中小企業まで広く利用が浸透して、企業の雇用の在り方も大きく変わっていくだろうと思っています。

日本の人口動態から判断すれば、10年経っても20年経っても失業率は上がるはずがないのですが、AIやRPAの普及のペースがあまりにも速いと、早くもオリンピック後には失業率は上昇しはじめ、2030年には5%に達していてもおかしくないと危惧しています。そのような見解を示すと多くの識者に否定されますが、リクルートワークス研究所が2025年の失業率を5.8%で試算しているということを知りまして、同じ高校(土浦一高)の大先輩でもある大久保さんにお話をお伺いしたいと思っていたところです。

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