誰にも伝わらない残念な文章に共通する誤り

ポイントは物事の本質表す「抽象」と具体例

小論文の神様が説く、文章を書く基本とは(写真:allstoria/iStock)  
250万部のベストセラー『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP新書)をはじめ、『小論文これだけ!』(東洋経済新報社)など著書多数、「小論文の神様」樋口裕一氏の『たった400字で説得できる文章術』より、ほんの数行で相手を納得させる文章のコツをご紹介します。樋口先生の直接指導が受けられる「超実践!ビジネス文章力ゼミ」も募集中です。

「抽象」と「具体」を意識する

何はともあれ、次の文章を読んでほしい。

文章1
「人間はもともと無秩序な状態にあった外界を意味付けて秩序化している。しかし、これだけでは、外界は秩序化できるが、自分自身の混沌とした内面に向き合うことができない。」
文章2
「私は川辺を歩いた。川辺にはごみが落ちていた。紙くずがいくつかと、空き缶やビンだ。紙くずのほとんどは新聞紙か、広告のチラシだった。新聞紙はしわくちゃになって、風に飛ばされている。川に落ちているものもある。新聞紙のほとんどはスポーツ紙で、いかがわしい写真なども目につく。缶やビンは、割れて川の中で太陽の光に輝いている。」

この2つの文章を読んで、「いったい、この文章は何が言いたいんだろう」と疑問に思うのではないだろうか。文章1のほうは、言いたいことがわかりにくい。これを書いた人がいったいどういうことを思い浮かべているのかがわからない。文章2のほうは、いろいろと書いているわりに、ひとことで言って何を言いたいのかがわからない。

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

もちろん、文章がわかりにくいときには、読む側の読解力不足、知識不足であることもあるだろう。たとえば哲学書や専門書には、優れたものであっても、難解なものが多い。 また、どんなによい本であっても、扱っている内容について無知であれば、まったく理解できないことになってしまう。だが、それ以外の場合は、書く側に責任があると思って間違いない。

そして、そのような文章の典型的な例が、この文章1と2だ。

では、文章1と2に、どんな欠陥があるか。

ひとことで言えば、抽象と具体の織り交ぜ方の失敗だ。

文章1は、そっけなく抽象的に語っているだけで、具体的に何を言おうとしているのかわからない。「人間はもともと無秩序な状態にあった外界を意味付けて秩序化している」とは、どういうことか、そしてまた、「これだけでは、外界は秩序化できるが、自分自身の混沌とした内面に向き合うことができない」とはどんなことなのか、もっとわかりやすく説明しなければ、文章として、欠陥があると言われても仕方があるまい。

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