PayPayが「100億円あげる」に踏み込んだ真意 ソフトバンクがスマホ決済に探る鉱脈

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「100億円あげちゃうキャンペーン」の勝算を探ります(撮影:尾形 文繁)

12月のその日の午前、私はたまたまビックカメラに仕事で必要なOA機器を買いに出かけたのですが、そこで店員さんのその異様な言葉が耳に入ってきました。

「今ならPayPay(ペイペイ)の支払いにより合計でポイント28%相当の還元になります!」

当然何かの聞き間違いだと思ったのですが、実は聞き間違いなどではありませんでした。

PayPayがキーワードのトレンド入り

ソフトバンクが12月4日に始めたキャンペーンで、ソフトバンクグループが提供するスマホ決済のPayPayを利用すると、支払い金額の20%が後日還元されるというのです。ビックカメラでは現金以外の決済手段で支払うと通常商品の場合8%のポイントが還元されるので店頭では「合計で28%のポイントが還元されます」と店員さんが叫んでいたわけです。

このキャンペーン、還元額が100億円に達した段階で終了するということですが、初日から大人気でPayPayがキーワードのトレンド入りするほどの話題になったそうです。ちなみに初日にはPayPay のサーバーダウンも起きた関係で、12月6日のソフトバンクの大規模な通信障害も「それか?」と一瞬疑われたのですが、こちらはPayPayの人気とは関係ないソフトウェアの不具合が原因でした。念のため。

個人に還元される金額上限は5万円なので、PayPayが使えるお店であれば25万円までの買い物をすればなんでも20%オフで買えることになります。そのため私の周囲でもにわかにPayPayでの消費ブームが起きたもようです。まず私の話を聞いたうちの家族が「前から欲しかった」という理由で25万円する一眼レフ用望遠レンズをPayPayでささっと買ってしまいました。ちなみにビックカメラでしたので還元額はなんと7万円。

さらに40回に1回の確率で全額が戻ってくるキャンペーンも同時に行っているのですが、実はうちの娘がこっそりこれに当選して1万円を手にしていたことがわかりました。そう聞くと確かに消費意欲が瞬間的に沸き立つ気持ちはわかります。

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