いわさきちひろが愛した菓子「復活」のワケ

100回目の誕生日記念、生誕地でレシピ再現

いわさきちひろが60年間通ったすずやの「いちごのババロア」が期間限定で復活した(写真:Table-K/PIXTA)

福井県越前市生まれの絵本作家いわさきちひろが約60年前、幼かった長男と好んで通った洋食店の「いちごのババロア」を、市内の菓子店4店舗が当時のレシピを元に再現し復活させた。それぞれの店のアレンジを加え、オリジナル商品として12月1日から限定販売している。

”すずや”から”ちひろ美術館”、そして福井へ

1918年12月15日生まれのちひろ100回目の誕生日を記念し、市観光協会の呼びかけで実現した。販売するのは、シュトラウス金進堂(姫川2丁目)、洋菓子JUN(平出2丁目)、森の木いちご畑cafe(余川町)、エスポワール今立本店(粟田部町)。

市観光協会によると、ちひろは買い物帰りに長男と立ち寄る東京・新宿の洋食店「すずや」のいちごのババロアが大のお気に入りだったという。

約10年前、ちひろ美術館(東京、長野・安曇野)の常任顧問で長男の松本猛さんから思い出話を聞いた安曇野館のカフェスタッフが、すずやからレシピを譲り受けて再現。東京館のカフェにもレシピが渡って販売を始めた。ただ本家すずやでの提供は既に終了し、今はちひろゆかりの場所でしか味わえない貴重なスイーツになっている。

福井県越前市内の菓子店が工夫を凝らして再現した「いわさきちひろが愛したいちごのババロア」(写真:福井新聞)

レシピは、当時貴重だった生クリームの代わりに水を使っているため、生のイチゴの酸味が残る素朴な味わい。越前市の各店舗の商品は、ちひろの作品「赤い毛糸帽の女の子」などの世界観からさらにイメージを広げた。赤いチョコレートを吹きかけたり、ババロア内にイチゴジュレを忍ばせたりと、店それぞれの工夫が味わえる。

市観光協会の担当者は「ちひろ思い出のレシピが巡り巡って生誕地の武生にやってきたかと思うと感慨深い。亡くなったはずのちひろが、ババロアを通じてゆかりの地で生きているような気がする」と話している。

価格は1個370~500円。販売期間は12月末までの予定だが、各店舗によって異なる場合がある。

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