食べ残した外食の持ち帰りは日本に根付くか

海外では一般的「ドギーバック」で寄付策も

「犬に食べさせる」という建前で店から食べ残した料理を持ち帰るため、仮に家に帰ってから人が食べたために食中毒を発症したとしても、それは自己責任であって店は責任を取らないのがドギーバッグだ(写真:simona flamigni/iStock)
まだ食べられる食品を大量に廃棄する「食品ロス」大国・日本。しかも消費者は知らずに廃棄のコストを負担させられている。食品をめぐる、この「もったいない」構造に初めてメスを入れた衝撃の書『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』。
小売店、メーカー、消費者、それぞれの問題点をあぶりだし、どうすれば食品ロスを減らすことが出来るのかを考えさせられる本書から、その一部をご紹介します。

なぜ日本ではドギーバッグが普及しないのか

海外に出かけて、毎回印象に残るのは、外食の機会に当たり前のように持ち帰りをすることです。

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

私がよく渡航するのは、青年海外協力隊として2年近く働いた経験のあるフィリピンです。フィリピンでは、ありとあらゆる機会に、お客さんが店の人に「持ち帰り」をお願いします。そこで断られているのを見たことがありません。

これまで私が見てきたのは、ピザのチェーン店、地域に根ざした小さなレストラン、大規模な中華料理店、トゥロトゥロと呼ばれる屋台、JICAのパーティなどです。

フィリピンでは、日本のスーパーの顧客が袋詰めする台に置いてある、薄いポリ袋に、おかず類を入れてくれます。面白かったのは、私がお世話になっている夫婦が、レストランに「こっちは人間が食べる用。この骨だらけのは犬が食べる用」と言って、人間用と犬用と2つに分けて包んでもらうよう頼んでいたことです。

外食の際の食べ残しを持ち帰るための容器を「ドギーバッグ」と呼びますが、まさにその名の通りです。

日本では、万が一、食中毒になったらという心配から、持ち帰りが許されないお店のほうが多いように思います。不思議なのは、同じお店の「持ち帰りカウンター」では持ち帰りができるのに、イートイン(店内での飲食)のところで食べ残したものは持ち帰りができないことです。同じ場所で同じように作った料理なのに、なぜそうなるのでしょうか。

2009年には、ホテル業界で初めて、国際ホテル株式会社のグループホテルが、持ち帰りを推奨する取り組みを始めました。国際ホテルは、2001年に、環境活動の国際規格(ISO14001)を、新横浜国際ホテル・横浜国際ホテル・立川グランドホテルの3つのホテルで同時に取得しています。

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