マツダ「CX-5」の6MT車はどんな乗り味なのか そこには「人馬一体」のこだわりがある

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6速MT仕様が追加されたマツダのミドルサイズSUV(スポーツ多目的車)「CX‐5」(写真:MAZDA MEDIA WEBSITE)

マツダのミドルサイズSUV(スポーツ多目的車)「CX‐5」が、今年10月の商品改良を機に、ディーゼルターボ車に限って6速MT(マニュアルトランスミッション=手動変速機)仕様を追加設定した。

CX-5は、2012年から展開された新世代商品群の第1弾として登場し、クリーンディーゼルエンジン車を設定したことでも注目を集めた。導入当初はディーゼル比率が80%に達したほどの人気で、1999年から東京都が実施したディーゼル車NO作戦による排ガス規制により市場から姿を消しつつあったディーゼルエンジン車の復権を果たした。

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CX‐5は2016年に2世代目にフルモデルチェンジしたが、マツダによれば、初代CX-5の時点からMT車設定への要望があったという。それにしても、スズキ「ジムニー」「ジムニーシエラ」のような本格オフロード4WDならばともかく、乗用車感覚で乗れるクロスオーバーSUVのCX-5にMTが設定されるのは珍しいようにも思える。

テストコース内の限定的な場ではあったが、CX-5の6速MT仕様にさっそく試乗をすることができた。

ディーゼル仕様で初めての6速MT

実際にスタートしてみると1速で発進した後に、すぐ2速へ変速するようなギア比の設定になっている。1速での加速時間が短いと感じ、2速で発進を試みたらエンストした。

変速ギア比の設定は、6速オートマチックトランスミッション(AT)に比べ若干高めで、最終減速比もATと比べると高めになっており、結果、全体的にエンジン回転数を低く抑えながら走行することを目指したことがわかる。クラッチ操作を運転者自らが行うことにより、発進や加速の際の速度調整を状況に応じて半クラッチを使うことで調整できるため、ギア比の差で駆動力を稼がなくてもよくなる。

6速MT仕様のシフトレバー部分(写真:MAZDA MEDIA WEBSITE)

その成果として、公表されているWLTCによるモード燃費において、前輪駆動車と4輪駆動車ともに、AT車に比べると、十数パーセント燃費が向上した。燃費値は運転の仕方によって幅が振れ、なおかつMTでは運転者がギアの段階を選んで、どのようなアクセル操作をするかによって結果が違ってくるだろうが、うまく走ればMTにした効果が燃費に現れることが期待される。

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