悩めるガリバー・野村証券に「生みの苦しみ」

大幅減益でも「売上目標なし営業職」を拡大

野村証券千住支店で来店客と会話する(記者撮影)

証券業界のガリバー、野村証券が生みの苦しみを味わっている。

10月末に親会社である野村ホールディングスが発表した2019年3月期上期の連結決算は、60億円の最終損失と7年ぶりの上期赤字を記録した。米国司法省との和解費用など一時的費用があったことが主因だが、主柱の野村証券の国内営業が苦戦しているのも事実だ。

証券大手5社の上期営業利益を見ると、野村証券のみがほぼ半減し、トレーディング収益が健闘した大和証券や、グループの銀行部門(三井住友銀行)からの顧客誘導が奏功したSMBC日興証券に利益水準でも抜かれた(いずれも単体決算)。

野村ホールディングスの北村巧CFO(最高財務責任者)は「新興国通貨の下落や金利急騰で顧客が保有していた外債が大きく値下がりし、そのフォローに営業要員が相当な時間を取られた」と説明する。顧客への商品や運用の提案に十分な力を割くことができなかったようだ。

ビジネスモデルはストック型へ

証券各社は、顧客に株式や金融商品を頻繁に売買させてフローの手数料を稼ぐ「ブローカレッジ業務」から、顧客の預かり資産額を増やし、資産残高に応じた手数料で稼ぐストック型の「資産管理業務」へ軸足をシフトさせている。かつてブローカレッジ収入(株式や投資信託の委託・募集手数料)で証券界のガリバーの地位を築いた野村証券は、その規模の大きさゆえ、体質転換中の苦しみもまた大きい。

その野村証券が一段とアグレッシブに資産管理業務への脱皮を図る戦略を加速し始めた。大幅な減益決算のさなか、なんと売上目標のない営業職種を創設して、高齢顧客層との関係づくりだけに専念する取り組みを始めたのだ。

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