不動産選びに時間をかける人が増えた事情

売買では新築も中古も販売価格の上昇影響か

物件の検討から契約までの期間(出典:RSC「不動産情報サイト利用者意識アンケート」)

問い合わせから契約まで、つまり住まい探しをスタートしてから契約する物件を決めるまでの期間が長期化するということは、どういうことだろうか?

それは「契約を急がない」「慎重に物件を比較検討する」ということだろう。

新築価格下落見込みさらに長期化も

まず賃貸住宅市場だが、賃貸の空室率を示す、タス空室インデックスの過去2年の推移を見ると、関西圏・中京圏・福岡県はおおむね横ばい、埼玉県を除く首都圏はじりじりと上昇している。借り手が有利な市場といえるので、焦る必要はなくじっくり検討できる状況だ。

また売買では、新築マンションの価格が上昇し、中古マンションもつられるように上昇といった市況にある。複数物件を比較しながら無理なく買える価格かなど、価格と希望条件を慎重に見極めていることがうかがえる。

住宅はモノではなく生活の拠点となるものなので、焦らずじっくり比較検討するという状況は望ましいことだ。

だが一方で、新築マンションの価格が高止まりしている状況などから、いずれ価格が下がるのではないかと様子見をしている人も多いと聞く。そうなると、住まい探しを始めながらもなかなか物件を決めることができないので、今後さらに長期化するといったことも考えられる。

日本不動産研究所が東京23区のマンション価格の中期予測を発表しているが、「新築マンション価格は、2018年まで上昇、以降ほぼ横ばいで推移し、2020年には消費増税の影響でやや下落、以降2025年までは微減」と見て、2017年のm2単価98.9万円に対し、2025年は95.0万円になると予測している。

価格が微減したとしても、その間に住宅ローンの金利が上がってしまえば、利息増加分で相殺されてしまう可能性もある。不確かなものに振り回されて長期化するというのは、望ましいことではないだろう。自分が本当に住みたいと思えるものに出合った時が、決め時だと思う。

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