JAXA公認の宇宙食を開発した高校生の工夫

福井・小浜名物のサバを活用、12年越し成果

宇宙日本食の認証に向け、サバ缶詰の開発に取り組んできた若狭高校生=福井県小浜市の同校海洋キャンパス(写真:福井新聞)

福井県小浜市の若狭高校が宇宙食として開発に取り組んできた「サバ醤油味付け缶詰」が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙日本食に選ばれることが、11月6日までに決まった。これまでJAXAが認証した宇宙日本食は大手食品メーカーの製品がほとんどで、高校が開発した食品が選ばれるのは全国で初めて。若狭高に統合された旧小浜水産高で12年前に始まった取り組みが実を結んだ。国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士の食事として採用される可能性がある。

12日に若狭高で行われる認証式で正式決定する。

試作を重ねて12年、若狭高の生徒たちの快挙

宇宙食の研究開発は、2006年に旧小浜水産高が食品製造の衛生管理システム「HACCP(ハサップ)」を取得したのを機に始まった。ハサップは、米航空宇宙局(NASA)が安全な宇宙食を作る目的で考案。この経緯を知った生徒から「宇宙食を作れるのではないか」との声が上がり、鯖街道で知られる小浜のサバの発信にもつながればと研究を始めた。JAXA職員を招いて話を聞くなど宇宙食に対する理解を深めながら、試作を重ねてきた。

無重力空間での食事は、水分や食べかすが飛び散らないことが重要。これをクリアするため、汁はくず粉を使ってとろみをつけゼリー状にした。また、無重力では味覚が鈍くなるとされることから、濃いめの味付けにした。

食品の質だけでなく、製造工場の衛生管理などさまざまな基準を満たす必要があり、達成に向けて生徒と教職員が一丸となって取り組んできた。2014年に宇宙日本食の候補33品目の1つに選ばれ、その後の品質試験、1年半に及ぶ保存期間などの試験に合格。正式決定の運びとなった。

若狭高で宇宙食開発に携わり、2016年3月に卒業した保育士の女性(20)=京都市=は「選ばれると思っていなかったので驚いた」と声を弾ませた。当時はくず粉を使ってとろみをつける研究を担当したといい「硬くなりすぎると味がしみこまない。くず粉のちょうど良い分量を見極めるために試作を繰り返すのが大変だったことを覚えている」と振り返った。

12日はJAXA宇宙飛行士の若田光一理事兼有人宇宙技術部門長らが西川一誠知事を県庁に訪ねた後、同校での認証式に出席する。

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