米国株はなお長期上昇トレンドの中にある 個人投資家がトレードで利益を上げるには?

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変動が大きくなってきたアメリカ株。この局面で個人投資家が利益を得るにはどうしたらいいのだろうか(写真:Brendan McDermid/ロイター/アフロ)
NASA(アメリカ航空宇宙局)のロケット・サイエンティストから、アルゴリズムによるシステムトレードの先駆者となったペリー・カウフマン氏が、日本テクニカルアナリスト協会の講演に登壇するためこのほど来日、東洋経済オンラインの取材に応じた。10月のマーケットは急落したが、カウフマン氏はこれからのマーケットをどのように見ているのだろうか。

アメリカ株の長期トレンドは変わっていない

――10月のマーケットは荒れました。10・11日の両日でNYダウは1400ドルに迫る下落となりました。カウフマンさんは過去、全体相場がよくない年でも20%以上の運用成績を上げてきたという実績をお持ちですが、アメリカの株式市場の長期上昇トレンドは、いよいよ終わりに近づいたと考えていますか?

カウフマン:10月の下げは予測していませんでした。しかし、マーケット参加者が、やや神経質になっているのは事実でしょう。短期間のうちに、それなりに大きく下げたので、その気持ちは十分に理解できます。

カウフマン氏は個人投資家の立場に立ったうえでシステムトレードの有効性を説く(編集部撮影)

基本的に人々は、この手の悪いニュースが入ってくると困惑してしまいます。「株価が急落した」というニュースを耳にした途端、今は持ち株を売却して逃げるべきなのか、それともそのまま何もせずにいるのが正しいのか、判断できなくなってしまいます。

また、ニュースを通じてファンダメンタルズが明らかになった後、それを材料にして売買すると、タイミングやニュースの解釈ミスという問題が起こりがちです。だからこそ、私はシステムトレードに徹しており、アルゴリズムを用いたシステムトレードのほうを信じているのです。

「長期トレンドが変わったのか?」という点ですが、アメリカ経済は拡大局面に入ってからすでに10年が経とうとしていても、景気自体は今も順調で、同国や日本の株式市場もまだ長期上昇トレンドのただ中にあります。私はこれからも景気拡大は続くと思っています。当分、株式のポジションについては、ロングを維持しても大丈夫だと考えています。

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