増える「空き家」の改善が円滑に進まない理由

特措法で所有者特定進むも自治体対応に限界

空き家を撤去し整備した越前町のポケットパーク。土地の利用法は集落で決める(写真:福井新聞)

倒壊など著しい危険がある福井県内の「特定空き家」が増えている。今年7月時点で8市町152軒。2015年に特別措置法が施行され、市区町村は所有者に撤去や修繕を勧告、命令できるようになった。ただ、所有者特定に半年以上かかったり、所有者と連絡が取れなかったりすることも多く、空き家の改善は円滑には進んではいないようだ。

「受取拒否」

「県外に住む特定空き家の所有者に(改善を求める)文書を郵送したら、『受取拒否』と書かれて送り返された」。

8月22日に県庁であった「県空き家対策協議会」で、ある市担当者が報告した。別の市担当者は「送り返されてくるだけまし。まったく反応がないことも多い」。ある町担当者は「仮に県外の所有者のところに職員が行っても、会えるかどうか分からない。何日も張り込みをしないと会えないかもしれない。そんな手間とお金は掛けられない」と打ち明ける。

未登記の家屋もある。その場合は固定資産税の情報を基に、所有者をたぐっていく。所有者が既に亡くなっているときには、法定相続人は子や孫になり、その数は一気に増える。福井市の担当者は「1軒の空き家につき、改善を求める文書を30人ほどに郵送したこともある」。福井とのゆかりを認識していない人もおり、驚かれることもあるという。

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