40代女性が料理家に転身、NYで成功したワケ 「世界で活躍する日本人」の共通点とは?

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国籍も人種も宗教も価値観も多様なニューヨークで、自分にぴったりの男性に出会うのは想像以上に難しいことだった(筆者撮影)
世界で活躍している日本人の共通点――。それは「夫婦仲がいいこと」かもしれない。海外で生活していると言葉の壁、文化の壁など乗り越えなければならない困難が多いうえ、頼れる親や兄弟も近くにいない。ゆえに支え合えるパートナーが必要不可欠なのだろう。
それにしても、彼らが「仕事も家庭もうまくいっている理由」とは何なのだろうか。そんな疑問を解き明かすべく、結婚4年目のニューヨーク在住ライター鮫川佳那子氏が、世界で活躍する“おしどり夫婦”を取材し、彼らの「成功の秘訣」を探る。

今回お話を伺ったのは、ニューヨークで活躍する結婚16年目のコルトンさん夫妻。夫のジョナサンさんは、コンサルティング会社を経営するアメリカ人。一方、妻のひでこ・コルトンさんは、横浜生まれの日本人。外資系投資会社を経て、40代で料理家として起業以来、テレビの料理番組に出演したり、ティファニーやディオールなどのハイブランドのフードコーディネートも手掛ける人気の料理家だ。

互いに離婚を経験している再婚カップルの出会い

大活躍の2人だが、国籍も職種もバラバラ。そしてお互い離婚を経験している再婚カップルでもある。そんな彼らの出会いとは、どんなものだったのだろうか。

モルガン・スタンレーの東京支社で勤務後、職場恋愛を経て最初の夫となるアメリカ人男性と結婚した、ひでこさん。彼の東京支社の任期が終わるとともに、ニューヨークへ引っ越した。

しかし、幸せは長くは続かなかった。お互いの価値観が合わず、5年で結婚生活に終止符を打つことになったのだ。

離婚が成立したのは、30代前半。当時のことを、まるで暗闇の中をさまよっていたようだったとひでこさんは振り返る。

「私は10歳で母を亡くしたこともあり、結婚して子どもを産んで幸せな家庭を築くことが昔からの夢でした。でもアメリカに来て人生設計が大きく狂ってしまった……そう思いました」

離婚後は1人でニューヨークで生きていくために、再び金融の世界に戻り、スイス系投資銀行UBSに就職。仕事は順調だったが、なかなか良縁に恵まれず悩んでいたという。

「エリートですてきな独身男性がいるのでは!?と期待して入社したUBSは、既婚者ばかり。それに国籍も人種も宗教も価値観も多様なニューヨークで、自分にぴったりの男性に出会うって想像以上に難しかったんです」

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