「自動運転バス」今できること、できないこと

無人バスに安心して乗ってもらうためには?

「ひたちBRT」の専用道を走る自動運転バス(記者撮影)

メタリックブルーの車体にカラフルな魚の群れを描いた小さなバスが住宅街を快走――。のどかな光景だが、実は運転手がハンドルもアクセルも操作していない自動運転車だ。

茨城県日立市で10月19日から28日まで、バス専用道を使った自動運転バスの実証実験が行われている。産業技術総合研究所(産総研)と市が協力し、ソフトバンクグループのSBドライブや地元バス事業者の日立電鉄交通サービス、親会社のみちのりホールディングスなどとともに実施。2005年に廃止された日立電鉄線の跡地を活用したバス高速輸送システム(BRT)「ひたちBRT」の専用道と一般道の計3.2kmを、関係者や公募した市民らを乗せて走る。

各地で行われるようになった自動運転バスの実験だが、バス専用道を使用するのは全国初という。さらに、今回の実験では将来の実用化を見据え、スマートフォンを使ったバス停での運賃事前決済などの試験も実施。「次世代のバス」のショーケースといった様相だ。

自動で走る「魚のバス」

バスは自動運転技術の開発を行うベンチャー企業、先進モビリティが改造した車両を使用。GPSのほか、専用道の路面に埋め込んだ磁気マーカーも使用して車両の位置を把握し、赤外線で物体との距離を測るLiDAR(ライダー)やカメラで周辺の車や歩行者などを認識しながら自動で走る。車内外の状況はSBドライブのシステム「ディスパッチャー」で日立電鉄交通サービスの営業所から遠隔監視する。

実証実験に使う自動運転バスの車体にはカラフルな魚群のラッピングを施した(記者撮影)

車体を彩る魚群のラッピングは、えちごトキめき鉄道(新潟県)のリゾート列車デザインで知られる川西康之さん(株式会社イチバンセン)が手掛けた。小さな魚が群れをなして泳ぐ様子が、まるで1つの自立した意志を持ったシステムのように見えることにヒントを得たデザインで、自動運転バスが全体で1つのシステムとして機能する将来をイメージしているという。

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