知らないと残念「災害保険」見落としポイント 火災より自然災害による被害の方が多いのに

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自然災害の脅威に備えて今一度、自身の損害保険を見直してみよう(写真:JIRI/PIXTA)

2018年は多くの自然災害が発生し、日本における自然災害の脅威を改めて感じている人も少なくないだろう。内閣府の防災ページには、今年だけで16の大きな災害の情報が記されている。1年にならせば、毎月1回以上のペースで各地に災害が発生していることになる。こうしたなか、災害保険の重要さが改めて見直されている。

自然災害が発生を個人の力で防ぐことはできないが、知識や経験があれば備えることはできる。被災による影響をお金だけで解決することはできないが、お金があるなしは元の生活にどれだけ早く戻れるか、また、どの程度戻れるかということにかかわってくる。

自然災害による被害は火災より多い

今年の主だった16災害のうち、6つの災害による人的被害は、死者387人、行方不明者9人、重傷者790人、軽傷者2504人であった。また住居被害は、全壊7121棟、半壊1万1934棟、一部破損4万0433棟、床上浸水8675棟となった。

日本で1年間に起きる火災件数は1万1585件(2015年、損害保険料算出機構統計集より)。それと比べると、自然災害による全壊、半壊、一部破損、床上浸水などの累計被害は火災発生件数の6~7倍と、おそらく多くの人のイメージよりも多くの被害が棟数ベースで発生しているのではないだろうか。

住宅に保険をかける場合には、「火災保険」という損害保険商品を選択することになる。名前から家が火事になった時の補償というイメージがあるかもしれない。だが実際は、火災保険を検討する際には、3つの補償があることを知っておくと、見積もりを検討する際に役立つだろう。

1つ目は火事などへの備えである。火災、落雷、破裂・爆発などでの住宅の被害を補償する内容で、一般的な火災保険のイメージといえる。2つ目は自然災害に対する備え。台風や竜巻、雹(ひょう)、雪、洪水などで自宅が被害にあった時に復旧を促すための備えとなる。3つ目が、盗難や漏水、破損事故などへの補償だ。

一時期、火災保険を安くするテクニックとして、水災(水害による被害による補償)を不担保にする(保険をかけない)という方法が出回ったが、昨今の自然災害をみていると、保険料が安くなればいいという安易な考え方は、生活再建という観点からは、保険金がおりないというデメリットになって跳ね返ってくることが明白である。

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