秋競馬、「アーモンドアイ」は牝馬3冠なるか 来週10月14日のGⅠ秋華賞が決戦の時

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2018年のオークス(GⅠ)で優勝し、春2冠を達成したアーモンドアイと鞍上のクリストフ・ルメール(写真:中原義史/アフロ)

中央競馬は夏のローカルシーズンを終えて秋競馬に入った。この時期はGⅠに向けて超A級馬が続々と始動する。今秋の最大の焦点は桜花賞とオークスを圧倒的な強さで制した3歳牝馬アーモンドアイ(美浦・国枝栄厩舎)の史上5頭目の牝馬3冠がなるかだろう。

オークス後は福島県のノーザンファーム天栄で英気を養いながら調整され、9月12日に美浦トレセンに戻ってきた。ぶっつけ本番で秋華賞に臨むのは過去4頭の3冠牝馬には見られなかったローテーションだ。新たな挑戦も注目されている。

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3歳クラシックはイギリスのレース体系にならって作られた。3冠レースと呼ばれる「皐月賞」・「日本ダービー」・「菊花賞」と、牝馬限定の「桜花賞」・「オークス」の5レースだ。

「2000ギニー」「ダービー」「セントレジャー」と牝馬の「1000ギニー」「オークス」がモデルとなっている。3歳世代のチャンピオンを決める一生に一度の最も華やかな舞台と言っていい。

これに天皇賞・春、天皇賞・秋、有馬記念を加えたのが「8大競走」だ。後発だったジャパンCや宝塚記念は含まれていない。この8大競走が1984年にグレード制を導入する以前のビッグレースということになる。

牝馬3冠の最終戦として「秋華賞」が新設された

JRAは1970年に秋に3歳牝馬限定重賞のビクトリアカップを創設。京都2400m芝で行われたこのレースが牝馬の3冠目という意味合いになった。1975年まで行われたが、エリザベス女王の来日を機に1976年から「エリザベス女王杯」を新設。回数を引き継がずに第1回として行われた。

以降、1995年まで3歳牝馬限定で京都2400m芝で開催された。1996年に牝馬の競走体系が見直され、エリザベス女王杯は「3歳上牝馬」の競走となり距離も2200m芝に変更。牝馬3冠の最終戦として京都2000m芝の「秋華賞」が新設された。これで現在の牝馬3冠が確立され、エリザベス女王杯は古馬も含めた牝馬最強を決める舞台となった。

JRAはグレード制を導入した1984年に当時は3歳牝馬限定で京都2400m芝で行われていたエリザベス女王杯をGⅠに格付けした。3歳牝馬路線は桜花賞、オークスのクラシック2戦とエリザベス女王杯がGⅠとなり、はっきりと3冠という形になった。

そこで現れたのが1986年のメジロラモーヌだった。前年のダートの新馬で2着に3秒1の衝撃の大差を付ける圧勝でデビュー。桜花賞、オークス、エリザベス女王杯の3冠だけでなく桜花賞とオークスのトライアルにあたる4歳牝馬特別、エリザベス女王杯のトライアルのローズSも勝った完全制覇での3冠だった。牝馬3冠が脚光を浴びたのはこの時が初めてだった。

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