いまさら聞けない「棚卸し作業」のキホン 在庫や備品数を確認するだけが目的ではない

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3月末や9月末の決算期に棚卸しを行う企業はけっこうあります。棚卸しは何のためになぜ行うのか? (写真:kou / PIXTA)

3月が決算の会社は、決算期末や中間期末に製品の在庫数や備品などの資産の状況を確認する、「棚卸し」という作業が発生する。新人の中には社会人になってから初めて聞いたという人もいるだろう。

在庫や備品は、紛失したり、古くなったり、壊れたりといった事態が発生すれば、物としての役割を果たさなくなる。しかし、帳簿を見ているだけでは、在庫や備品の状態はわからない。その状況を確かめるのが棚卸しだ。

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「新入社員の時に、山奥の湖のボートを数えに行かされた。帳簿では50隻あるはずが、ボート乗り場に繋がれていたのはわずか15隻……。湖底に数隻沈んでいるし、沖合には壊れたボートが浮いている。どう報告すればいいのか、頭を抱えました」(電鉄会社勤務・50歳)。

また、在庫に関しても、客から注文が入って倉庫を見に行ったら、パッケージが破れてボロボロだったり、紛失していて、数が揃わなかったりといったことはよくある話。そんな事態を招かないためにも、定期的に帳簿通りに在庫があるかどうかを確かめている。

在庫や備品の状況を確かめるのが棚卸し

もっとも棚卸しの作業は、ただ品物を数えるだけの、すこぶる単純作業。数が多ければ忍耐もいる。つい手を抜きたくなることもあるかもしれない。そうならないために、今回は、「棚卸し」がちょっと楽しくなる話をまとめた。

棚卸しには、帳簿上で在庫を計算する「帳簿棚卸」と、実際に在庫の現物を数える「実地棚卸」の2種類あるが、ここで棚卸しといった場合は「実地棚卸」を意味する。

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