「フォロワー投資家」が高値づかみをする理由

消費者目線で「まだ上がる」と思ったら要注意

消費者目線で「この株は成長しているのだから、まだ買いだ」と思って買うと、高値づかみしやすい。それはなぜだろうか(写真:ロイター/アフロ)

2008年9月15日に起きたアメリカの金融危機からほぼ10年。この間、株式市場では勢力図が大きく変化した。

時価総額のモノサシは資源の代表格である「原油」から「データ」へと移り、アメリカでは消費者や企業にネット経由でモノや情報サービスを提供する「プラットフォーマー」の評価が急上昇。IT(情報技術)の巨大企業を束ねた「GAFA」や「FANG」などという造語も生まれ、アップルとアマゾンの2社はついに時価総額が1兆ドル(110兆円)を上回ってきた。だが、株価をつぶさにみると「二極化」が始まっている。

「世界のSNS利用者33億人」をどうとらえるべきか

読者のみなさんは「クリティカル・マスポイント」という用語をご存知だろうか。これは新しいモノやサービスが普及していくうえでの「離陸ポイント」を指すマーケティング用語だ。俗に「いったん16%(約6.25人に1人)を上回ると、50%(2人に1人)超まで一気に拡がる」と言われる。その消費者の拡がりは以下の5つのグループに分類され、ベルカーブ(釣鐘型曲線)を描く。みなさんはどの消費者に属するだろうか?

①革新的採用者(仕掛ける側)   2.5%(累積普及率2.5%)
②初期採用者(流行に敏感)    13.5%(同16.0%)
③前期追随者(性能重視)     34.0%(同50.0%)
④後期追随者(割安重視)     34.0%(同84.0%)
⑤伝統主義者(流行に鈍感)    16.0%(同100.0%)

おおまかに分類すると、前半の16%(①と②)がブームの火付け役、中央の68%(③と④)がフォロワー役、後半の16%(⑤)が待機役ともいえよう。大手調査機関の試算によると、世界人口は約76億人で、そのうちSNS(交流サイト)の利用者はすでに約33億人にのぼる。総人口に対するSNS利用者は43%(2.3人に1人)であり、まだまだ拡大余地が残っていると見ることもできる。

しかし、一方で世界のインターネット人口は約40億人。このネット人口40億人に対するSNS利用者33億人でみると、80%(1.25人に1人)超に達している。2050年に世界人口は98億人まで増加する見込みがあるものの、さきほどの分布をみる限り、ここからSNS利用者の拡大ピッチは鈍化しそうだ。

これらを織りこみつつあるのか、足元でのSNS関連株の動きは冴えず、プラットフォーマー内でも株価の二極化が進んでいるゆえんかもしれない。実際、ここ数年でソーシャルメディア自体の数も増え、各社の特色やサービスの優位性は薄れつつある。利用者の稼働率低下、不正アカウントの削除、個人情報の規制強化等にともなうコスト圧迫等も懸念される一方、独自のビジネスモデルを持つプラットフォーマーであるアマゾンは、9月に入っても最高値を更新している。

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