フランスの超富裕層が放った記憶に残る金言

それは一人歩きして多くの人に影響を与えた

しかし、じつはこの「オイリー」という言葉には、それ以上の深い意味がありました。役員や資産家たちが帰ってから、「オイリー」という言葉が、社内で流行り出したのです。視察に同行したパートナーたちまでが「オイリー!」と言っていました。

私はそれを見て、ひょっとしたら、あの資産家は狙いを持って、「オイリー」という言葉を使ったのではないか、と思いました。資産家にとって、儲かる土地が手に入ることは、利益につながります。自分の発言が、本国役員や日本の経営陣に、大きな影響を及ぼすこともよく知っています。

「オイリー」のひと言は実際にその後、多くの人間を一つの方向(GO!)に向けて動かしていきました。

資産家が帰ってから、社内に「あのオイリーな土地を手に入れよう」感が広がり、最大限のサポートを受けることになったのです。パートナーたちも、「絶対にプロジェクトを実現するんだ」という気持ちでまとまりました。

結果、私たちは数々の難しい条件をクリアして、最高の立地を手に入れてしまったのです。「オイリー」は、文字通り、金を生む「金言」となったのです。

次は、さらに外資ビジネスのなかで耳にした印象的な言葉を2つ紹介します。

自分にバイアスをかけよ

(1)Rainman

有名な映画の題名とは別の意味です。雨を降らせる人、会社が苦しいときにビッグビジネスを取ってくる人のことを、あるファンド会社のトップはそう呼んでいました。

同じ意味で英語にはRainmakerという表現があります。

しかし彼はあえて日本人にわかりやすく「あいつはウチのレインマンだ」という言い方をしていました。伝わりやすいと同時に、言われている人間の価値が外部には高く映ります。

そして、レインマンのもとには、より多くの良い情報が集まることになります。

(2) 自分にバイアスをかける

東証一部上場のファンド会社社長(日本人)の言葉です。

『フランスの悪魔に学んだ3秒仕事術』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

日本のトップ証券会社の米法人社長から本体の専務まで務め、その後ファンド業界に入った、異色の経歴の持ち主です。

バイアスとは「偏りのない信号を、偏った信号にするために加える電圧」のことを言います。自分自身や会社に転機がきていると感じられたら、自らにバイアス(圧)をかける必要があるということでした。会社で言うと、上場やM&A、個人で言うとキャリアを変革するような転職といったところだと思います。

難しいプロジェクトや先が確実ではないチャレンジであっても、時がきたと感じたら打って出なければならないということです。

2つとも、いずれもわかりやすく記憶に残りやすい表現です。

交渉やプレゼン、いろいろなコミュニケーションの場面で参考にしたい言葉の技術です。

真の「金言」はひとり歩きし、多くの人に影響を与えます。

いま一度、自分の言葉を見直してみましょう。

伝わりやすさを追求するだけの価値はあります。

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