「投資信託はこの3本が良い」と言える理由 「グローバル=国際分散投資」とは限らない

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初心者が投資信託を選ぶのは結構難しそうだが、「分散投資」や「手数料」の観点から選べば、意外に簡単に選べるかもしれない(写真:ふじよ/PIXTA)

私たちの事務所には、さまざまなおカネの相談が舞い込んできますが、どちらかというと、筆者のところには投資に関する相談が多くきます。最近は、iDeCo(イデコ)やつみたてNISAなどを検討している人も多いわけですが、この2つに共通する商品といえば、投資信託(投信)です。相談に来る人は投資初心者が多いので、現在販売されている約6000本の投信から「どれを選んだらよいのかわからない!」と迷ってしまうようです。

もし、投資で負ける可能性を減らして堅実に勝ちたいなら、キーワードは、やはり「低コスト」と「国際資産分散」です。その観点で商品を絞っていけば、選ぶべき投資信託はすぐに見つかります。

日本は低金利でも世界に投資なら年約4%のリターンも

投資で利益を得るための原則の一つは「安く買って、高く売る」ことです。しかし、言うは簡単ですが、実行するのは難しいものです。投資信託を選ぶ場合、例えば新興国と言ってもどこの地域なのか、あるいはどんな資産が一番発展・成長するかを見極めるのは、プロも含め100%ピタリと予測できる人はいないでしょう。

しかし、世界中で人間の生活が続く限り、世界のどこかの地域で発展は続き、世界全体としては豊かになっていきます。特定は難しいものの、世界全体の資産へ投資することに意味があります。IMF(国際通貨基金)によれば、2018年の世界全体の経済成長率の予想は年3.9%。すなわち、これはひらたくいえば、世界全体へ投資すれば、4%前後のリターンが得られる可能性があるということです。

資産運用の王道は「分散投資」と言われていますが、この分散投資の考え方は、値動きと上手に付き合い、損する回数を減らし、損する幅を抑え、堅実に利回りを稼ぐためには必要な手法です。つまり分散投資とは、「負けないための運用手法」なのです。

さまざまな「地域」や「資産」を組み合わせることが大切で、具体的には「日本だけ」でなく、先進国や新興国なども含めて国内外を対象とし、株式だけでなく債券や不動産を組み合わせると、より分散効果が高まります。

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