天災相次ぐ大阪、好調「訪日消費」に影響は? この3カ月で台風、豪雨に地震に見舞われた

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土砂などが残る関西国際空港、奥は連絡橋に衝突したタンカー(写真:共同通信)

9月4日、関西国際空港に日本全国の注目が集まった。

海上空港である関空を台風21号に伴う高潮が襲い、第1ターミナル側のA滑走路と駐機場ほぼ全域が冠水。最大40~50センチメートルの深さまで水につかった。

この日、関空の瞬間最大風速は58.1メートル。14時過ぎには、関空と陸地を結ぶ連絡橋に、強風で流されたタンカーが衝突し、橋脚が損傷。さらに道路のパネルが鉄道の線路に覆い被さる事態となった。台風の影響で通行止めとなっていたため、鉄道や車の被害はなかったが、陸地との交通が遮断され、旅客やテナントの従業員など合わせて約8000人が空港内に取り残されるなど、多大な被害をもたらした。

インバウンド消費は4.4兆円

6月18日に起きた最大震度6弱の大阪北部地震、西日本で死者100人を超えた7月上旬の「平成30年7月集中豪雨」、9月に入ってからは台風21号。そして9月6日には北海道胆振地方で震度7の地震も起きた。

大阪や北海道は訪日外国人(インバウンド)の人気エリアだ。訪日外国人旅行消費は2017年に4.4兆円に達した。2018年に入っても1~6月の累計では前年を上回って推移している。

関空は2017年度の国際線旅客は2190万人、そのうち外国人旅客は約1500万人で成田空港に匹敵する。台風21号はこの関西の”玄関”を直撃した。

台風の影響で4日12時から空港全体が閉鎖された。4日から6日にかけ、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)、関空を拠点とするLCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションなど関空を発着する便は、国内線、国際線共に全便欠航となった。

被害の大きかった第1ターミナルビルでは、地下にある高圧受電設備6台のうち3台が冠水。これにより、ターミナル中央部で停電が発生し、館内放送も機能しなかったため、取り残された旅客の間で情報が錯綜し混乱も見られたという。5日未明からフェリーやバスで少しずつ陸への輸送が行われ、全員が脱出できたときには同日23時を回っていた。

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