ウーバーは「悪者」イメージを払拭できるか 「空飛ぶタクシー」で描く未来の新戦略

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ウーバーが“空飛ぶタクシー”事業で活用を想定する「スカイポート」のイメージ(画像:Uber)

ウーバーが、東京の空で新たな挑戦を始める。8月30日、配車サービス大手の米ウーバー・テクノロジーズが、“空飛ぶタクシー”とも呼ばれる航空事業「ウーバー・エレベート」の事業説明会を開いた。

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将来の実験拠点として、アメリカ国内で決定済みのダラスやロサンゼルス以外に、東京を含む日本のほか、オーストラリア、ブラジル、インド、フランスの5カ国が候補地に挙がっていることが発表された。

説明会のために多くのウーバー幹部が来日。彼らはプレゼンやあいさつ、質疑などのさまざまな場面で、「Japan is important.(日本は重要な市場だ)」と口をそろえた。

“空飛ぶタクシー”は実現するか

ウーバー・エレべートの仕組みはこうだ。スカイポートと呼ばれる発着施設を活用し、ヘリコプターのような電動垂直離着陸機で乗り合いをすることで、陸路での移動が不便な地点間を素早く移動できる。たとえば、成田空港から羽田空港への移動は電車で1時間以上かかるが、エレベートでは20分以下に短縮できるという。1回の充電での航続距離は約96キロメートルを想定している。

もちろん、予約はアプリのボタン一つで可能になる。東京では既存の交通インフラを補完するものとして、2023年ごろの実験開始を目指す。いずれは候補の5カ国すべてで事業化する可能性もあるようだ。

ウーバー・エレべートで活用を見込む電動垂直離着陸機のイメージ。東京での説明会で展示された(写真:Uber)

ただ事業化に際しては、空域の規制や巨額の初期投資など課題も多く、実現性には疑問も残る。ウーバー側によれば、東京は世界一ヘリポートが多い都市であり、仮に実現を目指す場合には大きなメリットになるという。ドローン業界の関係者は、「もし自社製の垂直離着陸機の認証が取れなかったとしても、代わりにヘリコプターの配車や乗り合いを実現することで、新たな都市交通事業を開拓しようとしているようにも見える」と語る。

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