確定拠出年金の商品減は「大チャンス」かも 手数料が安くて良い商品に乗り換えよう

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確定拠出年金の商品の数が減りそうだ。「放ったらかし」にしないでしっかり見直せば、大きな節約になる(写真:YUJI/PIXTA)

読者の皆さんは、確定拠出年金に入っていますか? 入っている人はもちろん、これから入ることを検討している人にもぜひ読んでいただきたいお話をします。実は、確定拠出年金の商品ラインナップが大きく見直しされそうな動きが出てきているのです。

なぜ商品数が減らされそうなのか?

今まで商品ラインナップの見直しと言えば、既存の商品に新しい商品を「追加する」ということを意味していました。ところが今回の見直しは「追加」ではなく、「除外する」というもので、今までの見直しとは根本的に異なっています。“除外する”ということになると、これから新たに加入しようとする人だけではなく、すでに加入している人にとっても大きな影響が出てきます。なぜなら、「自分が運用している商品が除外の対象になったら、今持っているのはどうすればいいのだ!」ということになるからです。

では、いったいどうして商品を除外するといった動きが出てくるようになったのでしょうか。結論から言えば法律が改正されたためです。確定拠出年金は今年5月1日に施行された法改正により、商品ラインナップを35本以下に制限することが決められました。この法改正はなぜ、行われたのでしょうか。今までは確定拠出年金の商品数が極端に多いプランもあり、「何を選んでよいかわからない」ことから、結局「選んだものの、その後は放ったらかし」にしている加入者の割合が高い、ということが問題視されていたのです。そこで「過剰な商品数を整理すべきだ」という意見が厚生労働省の審議会等でも出ていたからです。

具体的な事例を言うと、先日、SBI証券が、29商品を除外する予定だと発表しました。現在、同証券ではiDeCo(個人型確定拠出年金)の商品として67本の商品をラインナップしていますから半数近くの商品が除外されることになります。もちろん、一方的に除外するわけではなく、すでにその商品を保有している顧客に意向を聞き、3分の2以上の同意が得られた場合に除外ができます。これは従来対象商品の保有者全員の同意がなければ除外できなかった場合に比べると、ルールが大幅に緩和されましたので除外がかなりやりやすくなります。さらに言えば3分の2以上から同意書を受け入れる必要はなく、反対意見が積極的に出なければ同意したものとみなす、ということですから、3分の1以上の積極的な反対意見が出なければ除外が可能となります。

次ページiDeCoだけでなく、企業型も減るとみておいたほうがいい
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