過労死をもみ消すブラック企業の悪辣な手口

のらりくらりと証拠隠し、故人に石を投げる

明らかな冒涜のケースもある(写真:Bojan Nikolic/iStock)

電通やNHK、ワタミなど、有名大企業で過労死が頻発しており、2017年度には1年間で190人が過労や職場のハラスメントが原因で亡くなったまたは自死した(含未遂)と国が認定している。国が把握していない数を含めると、その何十倍にもなるだろう。

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ところで、こういった問題が起こったときには会社が親身になって遺族をサポートし、場合によっては補償してくれると思っている人もいるのではないか。

しかし、断言しよう。それは全くの幻想に過ぎないと。むしろ、長時間労働を命じたりハラスメントを放置したりして過労死や過労自死に追い込んだという責任追及を回避するために、会社はありとあらゆる手を使って遺族を妨害してくる。

社内に箝口令を敷いて、亡くなった人についてまともに話さない、というのはどの会社もやっている常套手段。他にもいろいろな手口を使って真相を追求しようとする遺族を邪魔してくるのだ。

いくつかのパターンを紹介しよう。

手口1:会社が手続きを進めない

そもそも押さえておくべきは、仕事が原因で亡くなったとしても、死亡届の提出と同時に過労死に対する補償が下りるわけではないということだ。国から補償を受けるには、国に対して労災申請を行い、過労死であると認められなければならない。ここに第一のハードルがある。

まず、会社側の手口としては、労災申請をさせなければ「勝ち」なのだ。そのため、遺族が会社に問い合わせてものらりくらりとかわし、労災に必要な書類の提出を拒否してくることは日常茶飯事だ。労災の手続きを会社に依頼したのに、2、3年間ずっと放置されていた、という話は珍しくない。時間を掛けることで諦めるように仕向ける、という戦略はブラック企業では普通に行われる。

次ページ手口2:会社による証拠隠滅作戦
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